中学生のお子さんが不登校になってから、学校にいけない理由を聞いても「分からない」と言われることがあります。
⚫︎子どもに聞いても「分からない」と言われる
⚫︎家では元気でも学校のことは聞く耳を持たない
⚫︎休んでも元気にならない
⚫︎親としてどう関わればいいのか分からない
これといって学校での困りごとがあるようにも見えないし、友達関係も困っていないように見える。このような時、親としてはどうすればいいのか分からなくなると思います。
この記事では、「中学生の不登校の理由が分からない」という状態を表面的な言葉だけで判断せずに背景・考え方・親の対応を含めてGoTodayの経験から辞書のように整理して詳しく解説します。
大切なポイントは3つです。
⚫︎理由が分からない中学生の不登校は珍しくない
⚫︎子ども自身も不登校の理由が分からないことが多い
⚫︎理由が分からなくても不登校は解決できる
理由が分からない中学生の不登校は珍しくない
不登校の原因は子ども自身も分からないことがある
我が子が不登校になった時、親は必死で原因を突き止めてそれを排除してなんとか学校に行けるようにすると思います。
例えば中学生の不登校の理由として考えられるのはこのような理由でしょうか。
⚫︎友達と喧嘩した
⚫︎クラスメイトから揶揄われる
⚫︎人前で発表するのが嫌だ など
不登校の理由は本人も本当のところは分からないのですが、その理由としては下記のような理由が考えられます。
⚫︎子どもは気持ちを言語化するのが苦手
⚫︎原因は一つではなくいくつか重なっていることが多い
親や先生から理由を聞かれると何かを答えなくてはと学校でちょっとした嫌だったことを思いついたまま言います。ですが、その理由を排除しても不登校は解決しないことがほとんどです。
実際にGoTodayでは不登校のお子さんと直接会って話をすることがありますが、「学校を休んだ理由は覚えてない・分からない」と言うお子さんも多いです。
不登校の表向きの理由と根本的な理由
お子さんが不登校になると、まず親御さんは「原因」を探そうとしますよね。原因が分からなければ、どう対応していいのか分からない。これは当然のことだと思います。
中学生であれば、決して子どもではありません。「学校に行かない」という選択をしたときに、何かしら理由が必要になるということは頭では分かっています。実際、不登校が始まったばかりの頃は、学校に行かせたい親と学校を休みたい子どもとの間で、必ずと言っていいほどやり取りが起こります。
その中で親御さんが「なんで学校に行かないの?」と聞くと、子どもは本音ではなく、親が納得しそうな理由や責められにくい理由、親をこれ以上心配させないための理由を考えて答えるようになります。つまり、最初に出てくる理由は必ずしも本当の理由とは限らないということです。
文部科学省の統計でも、不登校の要因として一番多いのは「無気力・不安」とされていて、「無気力・不安なら、エネルギーを貯めればいい」「しっかり休ませればそのうち動き出す」と考えるかもしれませんが、現実はそう簡単にはいかないのです。
ここで一つ大事な視点があります。それは、無気力や不安は原因ではなく結果である可能性があるということです。なぜなら、お子さんは不登校になる前までは普通に学校に通えていたはずで、何のきっかけもなく突然無気力や不安だけが強くなって学校に行けなくなるとは考えにくいからです。
Go Todayでは「無気力・不安が強くなったから不登校になった」のではなく、「不登校という状態に入ったことで無気力・不安が加速した」と考えています。つまり無気力や不安はスタートではなく、不登校の状態の中で強くなっていった結果だということです。
だからこそ単純に元気づけたり励ましたり安心させるといった関わりだけでは根本的な解決にはつながらないことがあります。クラスメイトからの手紙や先生の家庭訪問、「大丈夫だよ」という励ましが、かえってプレッシャーになるケースも少なくありません。
「無気力・不安=原因」と決めつけることではなく、その状態に至った背景を見ることです。なぜ動けなくなったのか、何に対して不安になっているのか、子どもはどんな感じ方や捉え方をしているのか。ここに目を向けていくことが本当の意味での原因に近づくことになります。
不登校の理由が分からないときの対処法
思春期の中学生は、気持ちをうまく言葉にしたり整理したりする力がまだ未熟です。そのため、本人も「なぜ学校に行けないのか分からない」と感じていることは珍しくありません。
ですから、不登校の理由が分からないときは、理由探しに時間をかけるより「休む→考える→動き出す」ことが安心してできる家庭環境を整えることことが最優先です。
ただし、ここで気をつけたいのは「子どもの機嫌をとる家庭」になっていないかということ。
「好きなことをさせてストレスをなくせば安心できる環境になる。そしてエネルギーが溜まり動き出すようになる」と考えがちですが、それだけでは一時的な安心にすぎません。
長い目で見ると自立心や協調性など、自分で立ち直る力を弱めてしまうことがあります。
本当の意味での安心できる家庭とは心と体を休ませ、考える時間を持ちながら、再び外に向かっていくための力を安心してためられる家のことです。

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実際に、GoTodayの復学支援を受けた中学1年生の男の子の事例を紹介させていただきます。
【実際の事例】
GoTodayの復学支援を受けた中学1年生の男の子も、まさに「理由が分からない」不登校の典型でした。
小学校4年生から6年生までの3年間、転校をきっかけに学校に行かなくなり、一度も授業に出席しないまま卒業。卒業式にも参加せず、次第に人との関わりを避けるようになり、引きこもりが悪化していきました。
日常生活はほとんど家の中でゲームやYouTube。昼夜逆転を繰り返し、学校復帰の意欲は全く見られず、お母様は「どうして行けないのか」「何をすれば行けるようになるのか」と3年間悩み続けましたが、答えは出ませんでした。
そんな中でGoTodayの支援を始め、「親が変われば子は変わる」という方針のもと、まずはお母様の関わり方を見直しました。
それまでは先回りして声をかけたり、子どもが困る前に解決策を用意したりと「良かれと思っての関わり」が中心でしたが、それが逆に子どもの自立を妨げていたのです。
支援を通じて「親ができることは見守りと、美味しいご飯を作ること」と理解し、余計な口出しを減らしていきました。
すると、子どもが自分で考える時間が増え、少しずつ自分のペースで動き出せるようになりました。その結果、指導開始から2か月で登校を再開。友達もでき、今では楽しく学校に通い続けています。
不登校中は「もう学校には戻れないのでは」と思っていたお母様も、「理由が分からなくても、親の関わり次第で子どもは変われる」と実感されています。
このように、「安心できる家庭」を整えることは、子どもが再び外に向かう力を取り戻すために欠かせない土台となります。
中学生の不登校では「理由が分からない」というのはよくあることです。
ですから、理由をあれこれ考えることに時間を使うよりも、まずは 「安心できる家庭環境」を整えることを優先しましょう。
ただし大切なのは、「安心できる家庭」と「子どもの機嫌を取る家庭」は違うということ。
この違いを意識して関わるかどうかで、不登校からの回復には大きな差が生まれます。
「理由が分からない」場合の親の心構え3選
❶ 理由が分からなくても学校復帰や自立は可能だと考えること
不登校の理由がはっきりわからなくても、学校への復帰やお子さんの自立は十分に可能です。
まず、お子さん自身も「学校に行けない理由」を明確に理解できていないことが多いです。
例えば、いじめのような明確で大きな出来事が原因であれば、「これが理由だ」と特定でき、その解決によって状況は改善に向かいます。
ですが、多くは学校生活でのストレスが少しずつ、知らず知らずのうちに積み重なった結果として起こります。
本人にとっては些細なことでも、それが許容量を超えたときに、突然「動けなくなる」という形で現れるのです。
では、なぜうちの子だけが不登校になるのだろう?と感じるかもしれません。
不登校になりやすいお子さんの傾向として、「物事への取り組み方が極端になりやすい」という特徴がよく見られます。
具体的には、「やりすぎ・やらなさすぎ」「白か黒か」「0か100か」といった極端な考え方や行動パターンに陥りやすいのです。
この傾向が学校生活で支障をきたし、大きなストレス源になっていると考えられます。
不登校になりやすいお子さんの特徴(例)
・理想が高く、「完ぺきにやらなきゃ」と自分を追い込んでしまう
・こだわりが強く、手を抜くことや休むことができない
・失敗が怖く、日々の生活の中で物事を深く考えすぎてしまう
こちらの記事で詳しく解説しています。
このようなお子さんは、優先順位をつけたり、要領よく力を配分したりすることが苦手です。
あれもこれもと全力で取り組んでしまったり、失敗すると分かっていることは最初からやらないなど、やがてエネルギー切れのような状態となり、「もうやらない」という形で学校に行けなくなってしまうのです。
この背景があるため、不登校は「何か嫌なことがあったから」という単一の原因ではなく、「調整がうまくいかなかった結果として起こる現象」だと考えられます。
本人からすれば「一生懸命やっていただけ」なのに、なぜ学校に行けなくなったのか、自分でも説明がつかないことがほとんどなのです。これは決して「サボりたいから」ではありません。
だからこそ、理由がわからなくてもお子さんの持つこうした性格傾向を理解しながら、安心できる家庭環境を整えていくことで、自然と学校復帰や自立に向かうことができます。
実際の事例を紹介します。
【実際の事例】
GoTodayが支援した中学2年生の女子も、理由が分からないまま半年以上の不登校(五月雨登校)を続けていました。
朝起きるとめまいや立ちくらみを訴え、午後から1時間だけ授業に出ることはできても、次第に欠席が増え、最終的には月に数日しか登校できない状態になっていました。
体調は回復しているのに「行こうとすると頭痛や吐き気が出る」と繰り返し、親御さんは「なぜ行けないのか」「どうすればいいのか」と途方に暮れていました。
支援を通じて見えてきたのは、娘さんの思考の偏りでした。「0か100か」「完璧でなければ意味がない」といった極端な考え方が強く、失敗を恐れて動けなくなっていたのです。
お母様も最初は「どうして理由も言わずに休むのか」と焦っていましたが、「親ができるのは待つことと環境を整えること」という考え方に切り替えることで、接し方が大きく変わりました。
その結果、娘さんは少しずつ前向きに動き出し、学校生活に戻れるようになりました。今では「失敗しても大丈夫」と受け止められるようになり、以前のように極端な完璧主義にとらわれることも減っています。
❷ 想像や思い込みではなく、実際の発言や行動を見ること
小さい頃から子どもを見てるからと「自分もこの子のことをよくわかっているし、子どもも親の事はわかってるはず」と思い込まないのが大事です。
そのような思い込みがあるままに話しかければ、お子さんとのコミュニケーションがうまくいきません。
親の頭の中で、イメージの子どもばかりが膨らみ、実際の子どもの姿が見えにくくなってしまいます。
特に思春期にある中学生は「言葉と考えと行動」が一致しないことが多いということも知っておく必要があります。
なので、子どもの言動を全部そのまま「この子の本心なんだ」と受け取りすぎないことが大切です。
その場の反発や気分で出た言葉を、決定的な理由としてとらえてしまうと親子の間に大きなズレが生まれてしまいます。
実際の事例を紹介します。
【実際の事例】
中学1年生の男の子も、最初は「体調不良だから学校に行けない」と繰り返していました。
お母様は「体調が回復すれば登校できるはず」と信じていましたが、夏休み明けになっても状況は変わらず、次第に「怠けているのでは」「友達関係に問題があるのでは」と想像を膨らませてしまいました。
支援を通して分かったのは、体調不良が本当の原因ではなく「嫌なことを避けるときに体調不良を訴える」というパターンでした。
そこでお母様は「きっと◯◯が理由だろう」と決めつけるのではなく、子どもの発言や行動をそのまま観察し、余計な質問や詮索を控えるように関わり方を変えました。
その結果、男の子は少しずつ自分で考え、自分のタイミングで学校に行こうとするようになりました。
今では毎朝自分で起きて準備をし、友達と楽しく学校生活を送れるようになっています。
子どもの不登校の理由が分からなくても、「きっと勉強が嫌だからだろう」「友達関係に問題があるんだろう」と、親の想像で考える必要はありません。
大事なのは、安心できる環境を整えていくことで、子どもが自分で話してくるのを待ちながら、日々の様子を見極めることです。
❸ 不登校の出口は「理由」よりも「親の変化にある」と理解すること
不登校の理由がわからないとき、子どもを説得したり理由を聞き出そうとしたりしてもなかなかうまくいきませんよね。
そもそも不登校になった「理由」が分かったとしても、それをすぐに取り除けるとは限りません。仮に取り除けたとしてもそれだけで子どもが学校に戻れるか、将来の自立につながるかどうかは確実ではないのです。
❶でも触れましたが、不登校になりやすいお子さんには、「性格の傾向」があります。
完璧主義だったり、人に気を使いすぎたり、考えすぎて動けなくなったり。
性格そのものを変えることはできませんが、自分の性格や特性を「どう扱うか」「どう活かすか」を学び、学校生活や社会生活に適応する力はつけることは可能です。
そのためにも子どもを変えることは容易ではないので、親の関わり方を工夫することがカギになります。
実際の事例を紹介します。
【実際の事例】
中学3年生の女子も、不登校の「理由」がはっきりしないケースでした。
部活動で先輩が引退し、自分がリーダーを任されたときに後輩が楽器を紛失。強い責任感から「自分のせいだ」と抱え込み、怖くなってしまったのです。
加えて仲の良い友達が別クラスになり孤立感も募り、次第に学校を休むようになりました。
お母様は「いじめられているわけでもないし、友達もいるのに、どうして行けないのだろう」と理由を探し続けましたが、答えは見つかりませんでした。
娘さん自身もプライドが高く、不登校の事実を周囲に知られたくないと、カウンセラーや知人など他者の介入を拒む状況でした。
そこで支援が始まり、「子どもを変えようとするのではなく、親の関わりを変える」という視点に切り替えました。
それまでお母様は「どう声をかければいいか」「無理にでも登校させるべきか」と悩み続けていましたが、支援を通して「子どもに考える時間を与える」ことを行っていただきました。
その結果、娘さんは少しずつ登校日数を増やし、最初は五月雨登校から始まりましたが、最終的には毎日登校できるようになりました。
さらには自分から「塾に通いたい」と言い出し、高校受験を乗り越えて進学するまでに成長しました。
理由がはっきりしないときこそ、子どもに考える時間を与え、気持ちを整理させることです。
その時間があるからこそ、子どもは「自分はどうしたいのか」「次にどう動けばいいのか」と少しずつ考えられるようになります。
それでもなかなか動けない場合、下記のようなことが考えられます。
- 子ども一人ではどうすることもできない状況にある
- 子どもに考える時間を与えられていない
- 親の「待ち方」が少しずれてしまっている
もし親だけでは難しいと感じるときには、どうか一人で抱え込まずにご相談ください。
GoTodayでは、オンラインでの簡易相談も行っていますので、理由が分からず悩んでいる親御さんはお気軽にお申し込みいただけたらと思います。
Go Todayの復学支援
私たちは、「親が変われば、子は変わる」という考えを基本に復学支援を行っています。
不登校の理由がわからなくても、親子のコミュニケーションの改善や、家庭内での対応を見直すことで、間接的にお子さんの本心を引き出し、学校に復学し継続して学校生活を送れるように支援を行っています。
不登校の理由がはっきりせず、これからどうしたら良いかわからない親御さんは、一度ご相談いただけたらと思います。
復学支援の詳細ついてはこちらをお読みください。

Gotodayではお悩み別に考え方や対策について解説していますので、参考になさってください。


