こちらの記事は2024年10月29日に更新されました
- 子どもがなぜ学校に行きたがらないのか原因がわからない
- 不登校から復帰するための方法がわからない
小学生のお子さんが不登校になり、親としてどう対応したら良いか?戸惑っている親御さんは多いのではないでしょうか?
この記事を読むことで、小学生の不登校の原因、そして親ができること・やってはいけないことがわかるようになります。
一般的に考えられる小学生の不登校の原因
小学生の不登校の主な原因は「無気力・不安」とされていますが、これはあくまで統計的な結果に過ぎず、個々のお子さんに当てはまるとは限りません。
文部科学省の調査結果(文部科学省(2023)「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について)によると、約51%の小学生が「無気力・不安」を不登校の原因として挙げています。しかし、これらの数字は全体を平均化したものであり、アンケートに答えられなかったお子さんのケースは反映されていません。
そのため、統計的なデータを参考にしても、あなたのお子さんの状況に適切な対応ができるとは限りません。
統計上の原因として「無気力・不安」が大きく挙げられていますが、現実には多くの要因が絡み合い、個別のケースごとに原因は異なります。
アンケートに基づいたデータは、参考にはなりますが、全てのお子さんに当てはまるわけではありません。そのため、統計的な結果を基にした一般論に頼るのではなく、個々の状況をしっかりと見極めることが重要です。
統計に基づく一般論を鵜呑みにせず、個別のケースに合った対応を行うことが、不登校問題の解決には不可欠です。あなたのお子さんに合う方法を見つけるためには、統計以上に、具体的な観察と適切な対応が必要です。
GoTodayが考える小学生の不登校の原因
小学生の不登校の原因として、GoTodayは「子どもの自立と協調性の不足」が大きな要因であると考えています。
しかし、これは親御さんがお子さんを思うがゆえに行ってきた対応が、結果的にお子さんの自立や協調性を育む機会を減らしてしまったことや、お子さんの持つ性格に対応が合わなかったことに起因している場合が多いです。
不登校児のお子さんの親の特徴についてはこちらの記事でまとめていますので、参考になさってください。
結果として学校生活に適応するための準備が整わないまま成長してしまうことがあります。
そして、お子さんの性格も関係しています。
元々内気で慎重なお子さんや、人との関わりに不安を感じやすいお子さんの場合、親御さんの「命令」「指示」「提案」に従うことが当たり前となり、自分で考えて判断する機会が少なくなります。
そのため、学校という環境で自分の意見を持つことやグループでの活動に自信が持てず、結果として不登校に繋がることがあります。
不登校になりやすいお子さんの性格傾向についてはこちらの記事でまとめていますので、参考になさってください。
一方で、親の言うことに反発して自分の考えを持ち、適度に受け流せるお子さんは、不登校になりにくい傾向があります。
これは、自分で考えようとする力が備わっているからです。しかし、全て親が先回りしてサポートしてきた場合、子どもは自分で考えて行動する力が育ちにくくなります。
不登校になったら親がやってはいけないこと7つ
(1)子どもが学校に行きたがらない理由にこだわりすぎない
子どもが学校に行きたがらない理由に対して、親は原因探しにこだわりすぎないことが重要です。
不登校のきっかけは一つではなく、さまざまな要因が重なっていることが多いからです。特に小学生の場合、親に心配をかけたくない気持ちから、本当の理由を言わないこともあります。
親が原因を尋ね続けると、かえって親子関係が悪化する可能性があります。たとえ理由が聞けたとしても、その理由を解決したからといって、学校に行けるとは限りません。新たな理由が出てきたり、理由が「わからない」となることもあります。
原因にこだわりすぎると、親が子どもに振り回され、結果として学校に行けない状態が続くことが多いです。なので、原因探しにこだわらないようにしましょう。
(2)親が無理に登校刺激をしない
親が無理に登校刺激をしないことが重要です。
なぜなら、子どもが学校に行けない原因には、いろんな要素があり、学校生活での困りごとを先に解決しなければならないため、無理に学校へ連れて行こうとするのは逆効果です。
無理に学校へ連れて行こうとすると、子どもは「このままでは良くない」という本心よりも「親は自分の気持ちをわかってくれない」という感情が先に出てきます。
この親子ならではの反発心によって、親子関係が悪化し、問題がさらに複雑化します。また、子どもにプレッシャーをかけると、子どもは自分で解決する力を発揮できなくなり、ますます親に依存してしまうことが考えられます。
例えば、小学生の場合、学校から「何とか学校に連れてきて下さい」と言われることがあり、親が朝何度も起こしたり、無理に連れて行こうとすることがあります。しかし、子どもは親の思いとは反対になりますので、これが原因で親子関係が悪化したり、朝起きないといった状態になり、登校がさらに難しくなるケースが多く見られます。
親が無理に登校刺激をするのではなく、子どもが自分で考え、決断できるように環境を整えることが大切です。特に、不登校が長期化している場合は、専門家に早めに相談し、適切なサポートを受けることが重要です。
(3)親が子どもの前で無理にポジティブに明るくなろうとしない
親が子どもの前で無理にポジティブに明るくしようとすることは逆効果です。
なぜなら、子どもは親の態度から「自分が学校に行かなくても問題ない」と誤解する可能性があるからです。
例えば、子どもが学校を休んでいる間、親が無理に明るく接すると、子どもは「お母さんがこんなに明るいなら、学校に行かなくても大丈夫なのかも」と思い、かえって戸惑いを感じることがあります。
また、親自身も心の中では、子どもが学校に行かずにいることを喜べないと感じている場合、無理に明るく振る舞うことで、親自身のストレスが増すだけです。
なので、親は無理に明るくなる必要はありません。自然な態度で子どもと向き合うことが大切です。
(4)子ども中心の生活にならない
子ども中心の生活は、不登校の問題を悪化させる可能性があるため避けるべきです。
お子さんが学校に行かなくなり、『愛情不足だからもっと子どもと一緒に過ごしてあげて』と言われたら、心配や不安でいっぱいになり、親としては、できる限りのことをしてあげたいという気持ちから、仕事を辞めたり、お子さんに寄り添い続けたりすることもあると思います。
しかし、不登校の原因は初めにもお伝えしましたが、愛情不足ではなく、むしろ子どもが自立や協調性を身につける過程でのギャップにあると考えられます。
親が過度に子どもに寄り添いすぎると、子どもは自立する機会を失い、かえって家庭内での役割が逆転してしまうことがあります。
お子さんが家庭で王子様やお姫様のようになり、親が過剰に配慮しすぎることで、子どもがさらに甘えるようになり、問題が深刻化するケースも少なくありません。
親御さんが仕事を辞めなくても済む方法についてこちらの記事でまとめてます。
例えば、お子さんの好きな料理を毎日作ってあげたり、欲しいものを次々と買い与えたりしていませんか?
それはお子さんの喜ぶ顔が見たいからこその行動ですが、気づかないうちにお子さんが家庭内で『何でも許される』と感じてしまい、親に命令したり、感情が抑えきれずに暴れるようになることがあります。
親としてお子さんを守りたい、支えたいという気持ちは非常に大切ですが、その愛情を子どもの自立を促す形で表現することが、長い目で見てお子さんのためになります。
お子さんが将来、自分で困難を乗り越える力を持てるよう、今は少しだけ距離を置いて、子ども中心の生活にならないよう意識することが大切です。
(5)勉強を無理にさせようとしない
お子さんに勉強を無理にさせることは、かえって逆効果になることが多いです。
親御さんとしては、学校に行けない間も勉強の遅れが気になることと思います。
通信教材や宿題をやらせることで少しでも学力を保ちたいと考えるのは親としては当たり前のことです。
しかし、今のお子さんは学校に行けないほど心が疲れています。この状態で無理に勉強をさせると、プレッシャーが増し、ますます心の負担が大きくなってしまいます。
初めはお子さんも頑張るかもしれませんが、しばらくするとやらなくなることがほとんどです。
その結果、「なんでやらないの?」と親御さんが問い詰めてしまい、子どもがさらに追い詰められてしまうことがあります。
こうしたやりとりが続くと、親子関係が悪くなり、学校へますます戻りづらくなります。
もしお子さんが自発的に勉強したいと言う場合は見守ってあげてください。
ただ、「学校に行かなくても勉強していれば大丈夫」という意識が根付かないよう、過度な期待をかけないことも大切です。
(6)周りに言われるがままに慌てて精神科等で検査をしない
お子さんが不登校になると、学校の先生やスクールカウンセラーから「発達障害かもしれないので一度検査してみてはどうか」と勧められることがありますが、焦らず慎重に考えることが大切です。
なぜなら、不登校の状態で検査を受けると、似たような症状が原因で発達障害や起立性調節障害などの診断を受けることがあります。
もちろん、親としては早く原因を知りたい、解決したいという気持ちが強いと思いますが、診断だけでは子どもが抱えている学校生活での悩みや問題が解決するわけではありません。
発達障害が必ずしも不登校の原因ではないため、慌てて検査することで、かえって不安が増してしまうこともあります。
学校から「検査をしてみては」と言われると、親として「何か問題があるのかもしれない」と不安になると思います。
例えば、発達障害の診断が出たとしても、すぐに不登校が解決するわけではなく、診断を受けた結果、かえって親御さんが「どうすればいいのか」と途方に暮れることも少なくありません。
まずは、お子さんを無理に変えようとするのではなく、親御さんの対応を少し変えてみることが結果的に不登校の改善に繋がります。
発達障害が必ずしも不登校の原因ではない理由についてこちらの記事でまとめています。
(7)復学を諦めない
7つ目、最後になりますが、お子さんの復学を諦めないでください。
親御さんが変われば、子どもも変わり、必ず復学は可能です。
多くの親御さんが、学校の先生やスクールカウンセラー、親戚や友人から「学校だけが全てじゃない」「学校以外の選択肢もある」と言われ、途方に暮れてしまいます。しかし、そのような状況でも、親御さんの姿勢が大きな影響を与えます。
実際に、親御さんが「復学を諦めない」という強い意志を持ち、お子さんへの接し方を見直した結果、お子さんが学校に戻ることができた事例がたくさんあります。
復学への道は決して簡単ではありませんが、親御さんが諦めなければ、必ず復学することができます。お子さんの未来のために、希望を持ち続けてください。
対応は家庭ごとに変わってきます。自己判断で対応されますと状況が悪くなる場合がありますので、自己判断で対応されないようにお願いいたします。まずは考え方を学んでください。
どうしたら復学できるようになるのか?(親ができること)
お子さんが学校に復学するためには、親御さんが日常の中で対応を少しずつ変え、適切なタイミングで登校への刺激を行うことが大切です。
親御さんが考え方を変え、日々の対応を変えていくことで、お子さんは家庭内で自立心を育み、対応力を身につけていきます。
さらに、登校のタイミングを見極めた適切な登校刺激が、学校復帰の大きな一歩となります。
上記でお伝えした、「不登校になったら親がやってはいけないこと7つ」を意識しつつ、過干渉や過保護にならずに、お子さんの問題とご自身の問題をしっかり分けて対応することで、お子さんは自分で考え、自分で行動する力を養います。
このようにして育まれた自立心は、復学後のお子さんの学校生活にも良い影響を与えるでしょう。
さらに、登校の刺激を与えるタイミングが重要です。登校刺激は慎重に行わないと、お子さんを追い詰めてしまう可能性がありますが、もし親御さんんだけでは難しい場合、経験豊富な第三者のサポートを得ることで、お子さんが無理なく学校に戻ることができます。
親御さんの力を少し借りつつも、お子さんが自立していく姿を見守りながら、必要なタイミングで適切なサポートを行うことが、復学への道への確実な方法です。
小学生の復学事例
小学生の復学事例を紹介します。
給食が嫌い、異性が苦手、体育が嫌い、週1回放課後登校していました。
《体験談全文はこちら》
復学支援を受ける前の状況
- 四年生二学期始業式の日(8月下旬)にいつもの様に起きてご飯を食べてる途中から気持ちが悪いと言って学校を休みました。
- 理由を尋ねても、給食が嫌い、異性が苦手、体育が嫌い等色々出て来ます。娘は学校へは行きませんでしたが毎週一回放課後誰もいない学校に私と行く事は出来ました。
- 出口の見えないトンネルの中にいる様で、常に娘の事を考え、泣いたり、諦めたり、怒ったりとても不安定で私が自分の気持ちをコントロールするのがとても難しく、主人と娘の事で喧嘩する事が多々ありました。
復学支援を受けて変わった様子
- 復学支援を受けて1番変わったのは私自身の娘に対しての考え方、接し方です。
- 毎日娘は学校へ行き、泣く、すねる、怒るの感情表現を表に出していた娘は今はそれも減っています。
「自分は生きていても意味がない」「死にたい」と言って昼夜逆転していました。
《体験談全文はこちら》
復学支援を受ける前の状況
- 小4~から体調不良で欠席や早退が増え、五月雨登校が続いていました。
- 暴言、「自分は生きていても意味ない」「死にたい」など言うようになり、暴れるなど繰り返し、PCゲームにハマり、日中は部屋で寝て過ごし、夜21時くらいから朝4時までゲームをして過ごす昼夜逆転の生活をしていました。
- ご飯は部屋でしか食べず、お風呂も3~7日置きに家族が就寝した後、こっそり入る習慣となっていました。
復学支援を受けて変わった様子
- 最初は「義務だから仕方なく学校に行ってる」と言っていた子供ですが、今では学校での自分の役割や、居場所ができたようで、毎日ちゃんと自分で起き、楽しそうに家を出ていきます。
- 「あの時、きっかけがなかったら自分は今でも学校に行けてないと思う。だから感謝している」等の言葉もよく聞かれます。
- 指導を受けた後は、以前の私に戻ることができ、とても気持ちが楽になりました。
小1から母子登校を繰り返し、母親のそばから離れられませんでした。
《体験談全文はこちら》
復学支援を受ける前の状況
- 小1から母子登校したり、一人で行けるようになったり、送迎したり、授業中教室横についていたりを何度も繰り返して小学4年生のGW明けからまた学校に行けなくなってしまいました。
- 夜一人で寝れないこと、母親になんでも聞いてくるようになっていました。
- 小学1年生の弟も、姉にひきづられる形で、一緒に不登校になり、「お姉ちゃんは何で学校行かないの?僕も行きたくない」「着替えさせて」「学校の門まで着いてきてくれないと行かない」など言って、家にこもる日々が2週間ほど続きました。
復学支援を受けて変わった様子
- 娘は自分で考えてやりたい事を見つけては自分で行動できるようになりました。
- 1人で考えて行動する事はもちろん、失敗を怖がらなくなり、たくさん友達も出来て、今では「自分でやるから向こうに行って」と言うほどになりました。
自律神経失調症・発達障害・自閉症スペクトラムと診断、幻聴・幻覚を訴えていました。
《体験談全文はこちら》
復学支援を受ける前の状況
- 心療内科で臨床心理士より自閉スペクトラム症との診断結果を受けました。
- 先生の怒り声も自分に向けられているように感じる。
- 他人の言動がとても気になるので大きな集団の中でとてもストレスを感じる。
- 音楽で頭が痛くなる。
- 受け取りは過敏だけど、自分発信には無頓着である。
- 運動機能に偏りバランス系はとても得意だが、鉄棒、縄跳び、ダンスなどすごく苦手。
- 食べ物の偏食
復学支援を受けて変わった様子
- お友達と自宅以外でも遊べるようになり、公園に出かけていったり、今までは苦手だったお友達とも、仲良く遊べるようになりました。
- 兄妹喧嘩をしても、子供たちで勝手に解決して、仲良くやり取りをする姿がみられるようになりました。
- お風呂にはたまにしか入らない、歯磨きは全然しない。
- 家の中でもパーカーをいつもかぶり、青白くむくんだ顔をして、リビングのソファーを占拠し、夜もテレビをつけたままソファーで寝ていました。そんな息子が再登校の前日、学校に早く行きたい給食なにかな?学校に行くの楽しみだな。といい自分のベッドで寝ました。
- 当日の朝は、自分から準備をして、お友達の家に自分から向かいました。
- 幼稚園生の妹ですが、兄の回復のおかげで、兄のことが好きになり、ベッドで1人で寝れるようになり、身支度、幼稚園の準備、お片付け、お風呂、歯磨き、など、少しの声かけだけで全部自分でやるようになってしまい、幼稚園に楽しそうに通うようになりました。
不登校からの復学事例をもっと見る▼
GoTodayの復学支援
GoTodayは「親が変われば、子は変わる」という考えを基本に、お子さんが教室へ復帰できるように支援を行っています。
小学生も1年生から6年生まで多くのお子さんたちが復学し、継続登校できています。
お子さん一人一人の状況によって対応も変わり、親御さんとしてはとても対応に不安になることと思います。
GoTodayは復学支援を通じてお子さんが学校へ復学できるように支援を行っていますので、お困りの親御さんはまずは一度お問合せからご相談いただけたらと思います。
GoTodayの復学支援についてはこちらをお読みください。
お子さんの状況に応じて考え方や対応策についてこちらでまとめていますので、ぜひ参考になさってください。
まとめ
一般的に考えられる小学生の不登校の原因
- 統計的に「無気力・不安」が主な原因とされるが、個々のお子さんに当てはまるとは限らない。
- 文部科学省の調査では約51%の小学生が「無気力・不安」を不登校の原因と挙げている。
- これらの統計データは平均的なものであり、すべてのケースに適用されるわけではない。
- アンケートに答えられなかったお子さんのケースは反映されておらず、個別対応が必要。
GoTodayが考える小学生の不登校の原因
- 「子どもの自立と協調性の不足」が主な原因。
- 親の対応が結果的に自立や協調性を育む機会を減らしてしまうことが多い。
- お子さんの性格に起因するケースもある(内気、慎重、人との関わりに不安を感じやすい)。
- 親がすべてを先回りしてサポートすることで、子どもの自立心が育ちにくくなる。
- 自分で考え、行動する力が不足していると、学校生活で適応できず不登校に繋がることがある。
不登校になったら親がやってはいけないこと7つ
- 原因探しにこだわりすぎない
- 無理に登校刺激をしない
- 無理にポジティブになろうとしない
- 子ども中心の生活にしない
- 勉強を無理にさせようとしない
- 精神科等の検査を慌てて受けさせない
- 復学を諦めない
どうしたら復学できるようになるのか?(親ができること)
- 日常の中で親の対応を少しずつ変え、適切なタイミングで登校刺激を行う。
- 過干渉や過保護を避け、お子さんの問題と親自身の問題を分けて対応する。