【子どもの不登校】母親が仕事を辞めても解決しない理由

復学支援GoToday|【子どもの不登校】母親が仕事を辞めても解決しない理由

「文責:小中学生復学支援・GoToday

このようなお悩みはありませんか?
  • 不登校の子どもが家にいる間、母親は仕事を辞めて付き添った方が良いのだろうか。
  • 仕事を続けることで、不登校の子どもに悪影響があるのだろうか。

お子さんが不登校になり、 「仕事を続けるべきか、それとも辞めて寄り添うべきか」 と悩んでいませんか?

「子どもに寄り添うべき」という考え方が広く浸透している一方で、母親として子どもが家にいる間に仕事に出ることへの罪悪感や、周囲からの目を気にしてしまう方も多いのではないでしょうか。

もしくは、学校からの呼び出しが頻繁にあり、学校や職場に迷惑をかけるので、仕事を減らしたり辞められたりする方もいらっしゃるかもしれません。

ご家庭ごとに様々な事情があると思いますが、私たちの経験から「子どもの不登校は、母親が仕事を辞めても解決しない」という考えに至っています。

その理由を本文で詳しく解説したいと思います。

さらに、お子さんの状況によって親御さんの悩みも異なると思います。

例えば、

  • 小学校低学年では、子どもがまだ自立していなく、1人で留守番が難しいことへの不安がある。
  • 小学校高学年では、少し自立してきた一方で、不登校の影響で自己肯定感が低下し、親の支えが必要なのではないか。
  • 中学生では、日中親がいないことで「放置されていると感じるのでは」という心配や、母親が家にいなく自由にできてしまうことが逆に居心地よくなりすぎてしまうのではないか。

この低学年、高学年、中学生の場合の違いについては本文で詳しく解説したいと思います。

Go Today では、親御さんのお仕事や勤務時間を事前にお聞きし、 お仕事を辞めたり、大幅に減らしたりせずとも対応可能な支援を行っています。

なので、お子さんの様子やご家庭の状況に合わせた柔軟な対応が可能です。

本記事では、「母親が仕事を辞めても不登校は解決しない理由」 を詳しく解説したいと思います。

小中学生復学支援GoTodayでは、不登校克服を専門に、小中学生のお子さんの不登校でお悩みのご家庭に「親が変われば、子は変わる」という考えに基づいた支援を提供しています。

2018年から活動を開始し、毎年約40名のお子さんが当支援を通じて復学しています。GoTodayでは、遅刻や早退をせずに毎日教室に通えるようになるまで、復学期間を約3〜4ヶ月以内で教室への復帰を行えるように支援を行っています。

復学後も継続的に登校できるよう、ご家庭に合ったサポートを続けています。

GoTodayについての詳細は、こちらをご確認ください。

最終更新日:2024年8月16日

母親が仕事を辞めても解決しない理由

復学支援GoToday|【子どもの不登校】母親が仕事を辞めても解決しない理由

Go Todayでは、これまで300名以上の復学を行ってきた経験から、「不登校だから」という理由で仕事を辞めたり減らしたりするよりも、仕事を続けながら対応するほうが復学がしやすいと考えています。

その理由を詳しく説明します。

不登校の原因と仕事の有無は直接関係がない

ご家庭ごとに不登校の背景や事情は異なりますが、Go Todayでは多くのご家庭を支援する中で、 「親の仕事の有無」が直接的な原因であるケースは少ないと考えています。

不登校の背景には多様な要因があり、「親が仕事をしているかどうか」が直接的な原因となるケースは少ないということです。

不登校の原因には、以下の2つに分けられると考えています。

不登校の原因について下記の記事で詳しく解説していますのでこちらをお読みください。

【必読】不登校の原因を復学の専門家が事例で解説

復学支援GoToday|不登校の原因の構造
  • 原因の表層
    一見すると不登校の直接の原因に見える事象(例:いじめ、体調不良、勉強の困難など)。
    しかし、これだけでは問題の本質を捉えられない場合があります。
  • 根本の原因
    表層の奥に隠れた、本当の原因(例:性格的な偏り、自立心や協調性の不足など)。
    解決には、この根本の原因に焦点を当てることが重要です。

母親が仕事を辞めても、根本の原因には変化がなく、場合によっては過干渉や母子依存を招くリスクもあります。

不登校の解決には、根本の原因にアプローチすることが必要です。

母子依存により、子どもの自立が妨げられる

親が「不登校だから」と仕事を辞め、子どもと過ごす時間が増えると、子どもが親に頼りすぎる「母子依存」という状態になりやすくなります。

これが当たり前になると、子どもの自立心や協調性が育ちにくくなります。

例えば、親がいつも子どもの様子を見ていると、つい手助けしすぎたり、指示を出しすぎたりしてしまいます。その結果、子どもは「自分でやらなくても親がやってくれる」と感じ、自分で考えて行動する力が育たなくなります。

また、お子さんが中学生の場合は反発を招くこともあったり、お子さんの気分や要求に合わせすぎて、親が何でも引き受けてしまうと、甘えや依存を強める原因になります。

これが進行すると、日常の簡単なこと(朝起きる、歯を磨く、お風呂に入るなど)が自分でできなくなります。

母子依存を防ぎ、子どもの自立を促すためには、適切な距離感を保つことが大切です。

【事例】年齢ごとの違いや注意点

学年ごとに解説していきます。

下記のそれぞれの事例はGoTodayの指導のもと親御さんが対応を変えられています。専門家の助言なく親御さんの判断のみで行うと状態が悪化する場合があります。

低学年のお子さんのケース

低学年のお子さんの中には、まだ留守番ができないお子さんもいて、これを理由に親御さんが仕事を辞めるケースもあります。

また、親が学校に連れていけば学校に行けるケースもあるため、「学校に行ってくれるなら」と仕事の時間を遅らせたり調整する方もいらっしゃいます。

この時期のお子さんの多くは、実際には「学校に行きたくない」のではなく、「母親と離れられない、離れたくない」という心理が根底にあることが多いです。

そのため、「学校を休んだらお母さんが僕(私)と一緒にいてくれる」と感じてしまうと、結果的に母親との依存が強まり、学校に行くよりも家でお母さんと一緒にいる方が安心だという考えが固定化されてしまう可能性があります。

親御さんが「仕事を辞めて常にそばにいる」よりも少しずつでも学校の時間帯に家を空ける時間を確保しながら復学した事例を紹介します。

【復学事例】小学3年生・男子のお母様(Aさん)の事例

仕事を始めて一緒にいる時間を減らすことで、息子が自分で考えて対処するようになりました。


不登校の状況


小学3年生の息子さんを持つAさんの場合、息子さんの不登校が始まったのは小学校2年生の夏でした。

息子さんは朝になると「お腹が痛い」「胸が苦しい」と泣きながら過呼吸になるような状態が続き、最初は月に数日、徐々に完全に学校に行けなくなっていきました。


Aさんはスクールカウンセラーや心理相談を利用し、「無理に学校に行かせなくてもいい」と受け入れることで息子さんは元気を取り戻しました。

しかし、小学3年生になっても学校に行けない日が続き、周囲の友達とも関わる機会がなくなる中で、「このままでは中学校も行けないのではないか」「将来、自立できるのだろうか」という不安を感じるようになりました。


お子さんの変化

そんな中、Aさんは復学支援を検討し、GoTodayのサポートを受けることを決めました。

指導開始後、Aさんは「子どもができないから」と過剰に手を出したりする育て方が、かえって息子さんの自立を妨げていたことに気づきました。

最初は短時間から、お母様に少しずつ家を空けるようにしていただき、息子さんが一人で過ごす時間を徐々に増やしていきました。


その結果、息子さんは「どうすればいいんだろう…」と不安になる場面でも、「まぁなんとかなる」と自分で考え対処する力を身につけていきました。

また、学校行事など苦手な活動も「楽しみ」と言えるようになり、最終的には毎日ランドセルを背負い、元気に登校できるようになりました。


Aさん自身も「仕事など考えられなかった」状況から一転し、指導開始後には再び仕事を始め、自分の時間を確保することができました。

「親の対応を見直すことで、息子の成長を信じ、見守れるようになった」と。現在では、息子さんの学校生活だけでなく、家族全体が前向きな気持ちで過ごせるようになりました。

この事例からも分かるように、低学年のお子さんの不登校に対しては、親御さんが「仕事を辞めて常にそばにいる」よりも、少しずつでも学校の時間帯に家を空ける時間を確保することが望ましい場合が多いです。

家を空ける時間を徐々に増やすことで、「お母さんは常に家にいるわけではない」という感覚をお子さんに持たせ、自然に親離れや自立を促す準備ができます。

高学年のお子さんのケース

高学年になると、お子さんは留守番をしたり、自分でできることが増えます。

それでも、「一緒にいてあげた方がいいのでは?」「仕事をしていると、子どもが放置されていると感じないか心配…」と、不安に感じるお母さんもいらっしゃると思います。

しかし、高学年になると、低学年と違い精神的にも大人びてくる時期です。自分で物事を考え自立していく時期でもあります。

この時期に、母親と一緒に過ごすことで、
「親がそばにいないと安心できない」という気持ちが強くなり、一人で考えたり行動する力が育ちにくくなります。

子どもと距離を取ることは、決して「見放す」ことではありません。

むしろ、お母さんが自分の時間を持ち、心に余裕を作ることで、お子さんに余裕を持って対応できる状態を作る方が重要です。

【復学事例】小学6年生・女子のお母様(Bさん)の事例

「子どものすべてを管理しなければならない」という考えを手放し、子どもを信じて見守る姿勢を意識しました。


不登校の状況

娘さんは小6の夏ごろから学校に行くことに不安を感じ始め、11月の終わりには「学校に行きたくない」と訴え、不登校になりました。

以降、次第に世の中や周囲への不平不満、自分を責めるような発言が増え、「死にたい」といった言葉を口にすることもありました。

また、夜は悪夢に悩まされて寝付けず、朝になると頭痛や腹痛を訴え、学校へ行くことを拒否しました。


当初、親御さんは「寄り添う」ことを最優先にし、娘さんの話をじっくり聴き、否定せず受け止めるよう努めました。

その結果、娘さんは家では元気そうに振る舞えるようになりましたが、外に出られない状況は変わらず、さらに電子機器に依存する生活が続きました。

このままでは子どもの成長に必要な経験や時間を失ってしまうのではないかという不安から、親御さんは新たなアプローチを模索することにしたそうです。

お子さんの変化

そこで取り組んでいただいたのが、「少しずつ距離を取ること」です。

そのためにお母様は仕事も始められ、学校の時間帯に外出したり、短時間でも家を空けることを意識的に始めていただきました。

娘さんが自分で考え行動する機会を増やす狙いです。

これと同時に、親御さん自身も「子どものすべてを管理しなければならない」という考えを手放し、子どもを信じて見守る姿勢を意識しました。

この取り組みを続ける中で、娘さんには次第に次のような変化が見られるようになりました。

  • 生活習慣の改善
    朝、自分で早起きして学校の準備をするようになり、夜も自然と早寝をするようになりました。
  • 自立心の向上
    学校の課題を一人で考えて取り組み、親の声掛けが不要に。自分の予定も自分で管理できるようになりました。
  • 精神的な安定
    「死にたい」といった発言や身体の不調を訴えることがなくなり、家族との会話も明るく、常に機嫌が良くなりました。

親御さん自身も「余計な声掛けをしなくてもよくなり、子育てが楽になった」「自分の時間を持てるようになった」と、大きな変化を感じられたそうです。

この事例のように、不登校の子どもに対して過度に寄り添いすぎることは、一見良いように見えて、子どもの「自立心」を育む妨げになることがあります。

親御さんが少しずつ外出する時間を確保したり、自分の生活を取り戻すことは、親子双方にとって良い影響をもたらします。

それが結果的に、子どもの自立心を促し、学校復帰への第一歩となります。

中学生のお子さんのケース

中学生のお子さんが不登校になると、親が日中家を空けることでこういった不安もあると思います。

・「家で自由にさせすぎて、不登校の環境が居心地良くなってしまうのでは?」

・「放っておくことでさらに学校から遠ざかってしまうのでは?」

中学生にとって、適切な距離感は、

親が「何をしているのか」「どう過ごしているのか」を細かくチェックしすぎると、子どもは反発したり、さらに閉じこもることがあります。

親が無理に「解決しよう」としない
「学校に行かなければ」と強制すると、子どもがプレッシャーを感じてさらに心を閉ざしてしまいます。「まずは今の状態を受け止める」という姿勢を持つことが重要です。

中学生は、親が言えばいうほど反発を起こします。親だけで対応が難しい場合は、第三者の専門家に頼ることも検討された方が良いです。

【復学事例】中学2年生・男子のお母様(Cさん)の事例

仕事を休み寄り添い続けましたが、学校に戻れる兆しがないまま1年3ヶ月が過ぎていました。


不登校の状況

中学2年生の息子さんは、中学入学後すぐから「お腹が痛い」「頭が痛い」と訴えるようになり、登校前には体調不良が続く日が増えていました。

当初、お母様はこれを身体の病気だと考え、病院に連れて行って診察を受けました。

処方された薬を飲めば解決すると思っていましたが、次第に学校からの呼び出しが頻繁になり、「迎えに来てほしい」と言われることが増えました。


その後、息子さんは食欲を失い、ほとんどご飯を食べなくなりました。

「胃腸が調子悪いから、胃カメラで診てもらいたい」と自ら医師に相談するほどの状態でしたが、検査の結果、身体的には異常が見られませんでした。

この時、お母様はようやく「学校に行きたくないという気持ちが、身体の不調として現れているのではないか」と気づいたそうです。


お母様は仕事を休み、B君が少しでも安心できるように寄り添い続けました。しかし、学校に戻れる兆しが見えないまま1年3ヶ月が過ぎていました。

お子さんの変化

支援を開始してから、お母様には仕事をできる限り長くしていただきました。

また、日々の声掛けでも「あれをしなさい」「これをしなさい」といった声掛けを減らし、子どもの行動を見守る姿勢に切り替えるようにしていただきました。

お母様が家を空ける時間が増えたことで、息子さんに「考える時間」を与えるように意識していただきました。

そして息子さんは「自分で起きる」「決まった時間に食事をとる」といった基本的な生活習慣を自分で整えるようになりました。

そしてGoTodayのスタッフによる適切なタイミングでの登校刺激により学校にも復学して継続登校できるようになりました。

「距離を取ることがかえって不登校を悪化させるのでは」と不安に感じる方も多いかもしれません。

しかし、この事例のように、親が仕事や外出を通じてお子さんから物理的な距離を取ることで、親子の関係性が改善し、子どもが自立するきっかけが生まれることがあります。

このような変化は、親が子どもの自立を目指して適切な距離感を保った結果と言えます。

GoTodayの復学支援

GoTodayは、「親が変われば、子は変わる」という考えのもと、親御さんが仕事を辞めることなく、お子さんの復学を実現できるようサポートを行っています。

親御さんの生活ペースを大きく変えずに復学が可能

  • 親御さん自身の対応や考え方を変える支援
    お子さんが学校で直面している困難を解決するために、親御さんが日常生活の中で取り組める具体的な方法を提案します。お子さんの性格や状況に合った対応を実践することで、お子さんが自ら問題を乗り越える力を育みます。
  • きめ細やかな支援
    GoTodayは電話やメールでリアルタイムの支援を行っています。親御さんは困ったときやお子さんとのコミュニケーションに迷ったときにすぐに相談が可能です。

仕事を続けながら取り組める

  • 柔軟な対応時間
    GoTodayでは、親御さんの生活リズムに合わせて支援を行います。例えば、お子さんと朝と夜だけの短い時間しか接点がなくても、その時間で効果的な方法を指導します。
  • 具体的なアドバイス
    親子間の会話記録をもとに、どのように対応すればよいか細かくアドバイスします。親御さんが日常で実践できる内容なので、生活を大きく変える必要はありません。

GoTodayは、親御さんの生活ペースを可能な限り維持しつつ、お子さんが自立して学校復帰できるようサポートしています。

お子さんを復学んのために、まずは親御さんの考え方や対応を少し変えることが第一歩です。

復学支援の内容・料金についてはこちらをお読みください。 

復学支援GoToday|復学支援の内容・料金

復学支援の内容・料金についてはこちら

また、GoTodayではお悩み別に考え方や対策をお伝えしています。

お子さんの状況にあった内容をお読みいただけたらと思います。

まとめ

母親が仕事を辞めても解決しない理由

  1. 不登校の原因と親の仕事は直接関係がない
    • 不登校の原因は多様であり、「親の仕事の有無」が直接的な原因となることは少ない。
    • 表層の原因(いじめ、体調不良、勉強の困難など)と根本の原因(性格的な偏り、自立心や協調性の不足など)を分けて考えることが必要。
  2. 根本原因へのアプローチが重要
    • 母親が仕事を辞めても、不登校の根本原因に変化はない。
    • 場合によっては、親が過干渉になり、問題が悪化するリスクがある。
  3. 母子依存が子どもの自立を妨げる
    • 親が子どもと過ごす時間が増えると、子どもが親に依存する「母子依存」の状態になりやすい。
    • 母子依存が進むと、子どもの自立心や協調性が育たなくなり、親に頼りきりになる。
  4. 子どもの自立を促すには適切な距離感が必要
    • 過干渉や過度な手助けを避けることが大切。
    • 子どもの反発を防ぎ、甘えや依存を強めないためには、親が何でも引き受けないことが重要。
  5. 仕事を続けながら対応する方が復学しやすい
    • 親が仕事を辞めることで、子どもとの適切な距離感が失われる可能性があるため、仕事を続けつつ支援を行う方が望ましい。

【事例】年齢ごとの違いや注意点

低学年のお子さんの場合

  • 対応のポイント
    • 不登校の原因が「母親と離れたくない」という心理にあるケースが多い。
    • 親が常にそばにいると、母子依存が強まり、学校より家庭を選ぶ傾向が固定化する。
    • 少しずつ家を空ける時間を作り、自然に親離れを促す。

高学年のお子さんの場合

  • 対応のポイント
    • 精神的に大人びる時期で、自立心を育てることが重要。
    • 親が「すべてを管理する」姿勢を改め、子どもを信じて見守る。
    • 親自身が自分の時間を持つことで、心の余裕を確保。

中学生のお子さんの場合

  • 対応のポイント
    • 親の過干渉や解決への焦りが子どもの反発を招くため、適切な距離感を保つことが大切。
    • 子どもの行動を監視し過ぎず、プレッシャーを与えない。

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