中学生の不登校は、知能に問題があるわけでも、病気でもないのに、なぜ突然学校に通えなくなってしまうのでしょうか?
多くの親御さんがその理由がわからず、どう対応したら良いかも分からず悩まれていることと思います。
GoTodayでは、過去7年間で300名以上のお子さんの復学を行ってきましたが、その中でも7割近くが中学生でした。
この記事では、中学生のお子さんが不登校になる根本的な原因を解説し、それぞれの状況に応じた対応方法を紹介しています。
小中学生復学支援GoTodayでは、不登校克服を専門に、小中学生のお子さんの不登校でお悩みのご家庭に「親が変われば、子は変わる」という考えに基づいた支援を提供しています。
2018年から活動を開始し、毎年約40名のお子さんが当支援を通じて復学しています。GoTodayでは、遅刻や早退をせずに毎日教室に通えるようになるまで、復学期間を約3〜4ヶ月以内で教室への復帰を行えるように支援を行っています。
復学後も継続的に登校できるよう、ご家庭に合ったサポートを続けています。
GoTodayについての詳細は、こちらをご確認ください。
最終更新日:2024年8月16日
まず初めに知っておかなければいけない中学生の不登校の原因
不登校には大きく分けて2つの問題が関わっています。
- 個々の表面的な問題
(例:友達や先生とのトラブル、授業が理解できない、体調不良など) - 根本的な問題
(本人も自覚していない問題:社会性の未熟さ、自立心・協調性の不足)
不登校にはこの2つの問題があり、両方が重なることで子どもは学校に行けなくなります。
家庭内の親子関係や親の対応、家族全体のバランスがうまく取れていないなどが子どもの行動や感情に表れます。
そのため、不登校は子ども本人だけでなく、家族全体の問題として考えることが必要です。
不登校になりやすい家庭の共通点
不登校のご家庭を見させていただくと、外からではわからない、問題が多く隠れています。
例えば、不登校のご家庭はこのような特徴があります。
- 親が過保護・過干渉で、子どもの問題にすぐに介入している
- 親が子どもの顔色を伺い、気を使いすぎている
- 子どもが主導権を握り、親の対応を見透かしている
■親が過保護・過干渉で、子どもの問題にすぐに介入してしまう。
【解説】
子どもに些細なことでも口うるさく言ったり、子どもの行動に干渉したり、年齢相応の対応ができていないため、子どもが自立心や協調性が育まれていない。
親はそれが子どものためと思っており、なぜ子どもはできるようにならないのかと考え、ますます過保護過干渉になっている。
【例】
▪️学校の持ち物や宿題を管理する
学校では周りに言ってくれる人がいないので、自己管理できなり、宿題ができない、忘れ物が多い、落ち着きがないにつながる、そしてますます親も口うるさくなる
▪️習い事の予定を毎回先回りして忘れないように子どもに言う
子どもの習い事であるにもかかわらず、親が管理しているため、責任感が芽生えない、結果、親に行かせられている状況になり、だんだんと行かなくなる
▪️中学生になっても〜ちゃん、〜くん、あだ名で呼ぶ
子ども扱いされているため、自立心が育まれない、そして中学生になっても両親のことをママ、パパと呼ぶ。そのため、同学年の友達との価値観が合わなくなる。
▪️親子関係よりも友達のような関係になっていて、父親としての威厳、母親としての暖かみが薄い
家庭内での安心感が得られない。上下関係や友達との距離感がわからず、先生や友達とのトラブルが多くなる
■親が子どもの顔色を伺い、気を使いすぎてしまう。
【解説】
親が子どもの気持ちを考えすぎたり、決めつけ、想像で接しているため、親が言っていることが子どもにとっては的外れになる。
子どもが人間関係や進路で悩んでいるときに、「あの子はこういう子だから」「こう思っている(はず)だから」「こうしたい(はず)だから」と、先回りして対応を決めてしまう。実際は、子どもの本音を聞くことができていない。
子どもは周囲の声かけや両親の価値観の中で生活を送ることになるため、将来何をしたら良いのかわからない・目標がないと考えるようになり、どんどんおかしな方向へ進んでしまいます。
Go Todayに相談に来られた親御さんにお話を伺うと、「本人がそうしたいと言ったから」とおっしゃいます。「本人がやりたいと言ってきたことをさせてきたのに、どうしてこうなったんだろう」と仰る親御さんもいます。
それがまた、親と子供の溝を大きくする要因にもなります。
■子どもが主導権を握り、親の対応を見透かしている。
【解説】
なんだかんだ言っても親が自分を要望を聞いてくれたり、見捨てないことを子どもが見抜いていて、子どもが主導権を握り親がコントロールされている構図ができている。
これも子どもは親がやって当たり前、親も子どものためだから仕方がないと言った感じです。
これまでの対応の積み重ねで、子どもからの要求に対して親が折れたり、要求をのんでしまったり、親の言動に矛盾がある場合、子どもに見透かされています。
本当に法律に触れるような悪さをした際、世間体を気にしたり、子どもがかわいそうだからと、何事もなかったかのように問題を無かったことにして、子どもを守ってしまう。
例えば、宿題やらなかったらご飯食べられないよ。と言いつつ、実際はやってなくてもご飯は作る。子どもが他人のものを壊したり、盗んだり、暴力を奮ってきた場合、子どもにきちんと善悪を教えるために叱らずに終わってしまう。
不登校中の中学生にできる対応策をケース別に解説
自立心や協調性は中学生でも親の対応次第で身につけることが可能で、子どもの性格傾向や自立心、協調性は、決して生まれつきのものだけではなく、経験を通じていつでも身につけることができます。
それぞれのケースにおいて、親がどう対応すれば子どもの自立心や協調性を育てられるか、以下にまとめてみました。
家庭の状況はそれぞれ異なるため、対応方法も同じではありません。ここで紹介している方法を試しても、場合によっては逆効果になることもあります。また、問題は一つだけでなく、いくつもの要素が関係していることが多いため、対応も複合的に考える必要があります。これらの方法は、あくまで基本的な考え方です。ご家庭の状況に合わせた対応については、個別面談で詳しくお話をお聞きしながら、ご家庭に合った対応法をお伝えしますので、お気軽にお問い合わせください。
引きこもって会話もできない場合
【考え方】
引きこもって会話もできないお子さんの状況では、親は心配の気持ちから子どもの生活に過度に配慮してしまうことが多くあります。
しかし、家庭生活が子ども中心になりすぎると、子どもの自立心が損なわれ、生活リズムを整える力が弱まり、ますます社会に出ていくことが難しくなります。
【対応】
- お子さんに過度に気を使わないようにする(食事を部屋に運んだり、好きなものばかりを用意しない)
- 家庭の生活リズムを崩さず、親自身も通常の生活を送るよう心がける
- 不登校や引きこもりだからといって、子ども中心の生活に偏りすぎないようにする
体調不良で学校に行けないと言われた場合
【考え方】
お子さんが登校する直前になると「お腹が痛い」「頭が痛い」など体調不良を訴える場合、表面的には体の不調が原因のように見えますが、実際には学校に対する不安が背景にあることが多いです。
また、無意識に親や先生の関心を引きたくて体調不良を訴えることや、生活リズムの乱れによって体調不良が生じているケースも考えられます。
このような場合、薬や病院の治療では根本的な問題が解決しないことが多いです。
【対応】
- 本当に病気かどうかを親が慎重に見極めることが必要(見極めのポイントとしては、「登校時間を過ぎたら体調が回復しているかどうか」や、「学校が休みの休日は体調が問題ないかどうか」)
- 登校時間が過ぎたら落ち着く場合や、休日は体調不良にならない場合は、精神的な問題のことが多いです。子どもが「体調不良を訴えれば休める」というパターンを作らないためにも、親御さんは過度に心配せずに冷静に対応することが必要です。
車で送ってと言われた場合
【考え方】
お子さんが「車で送って」と頼るのは、親に対する過度な依存の一例です。
親の優しさに頼りすぎると、自分の希望が叶えられなかった時に、親を責めたり、「お母さんが送ってくれなかったから学校に行けなかった」と言い訳をすることが増えます。
これは、相手の都合を考えず、親のサポートを当然のものとして受け取っているためで、感謝の気持ちが薄れています。
車で送るなどのサポートを当たり前にしてしまうと、子どもが自立心を失い、自分でできることさえも誰かに頼ること・やってもらうことが当然だと感じるようになってしまう。
【対応】
- 自力で学校に行くことを促し、送迎は特別な場合(怪我や学校からの要請があった場合など)を除いて控える
頻繁にLINEやメール、電話で連絡してくる場合
親に対して頻繁にLINEやメール、電話で連絡してくる場合、親が自分の期待通りに動いてくれることで、親を「コントロール」しようとしている状態です。
中には日常のささいな出来事まで逐一報告したり、電話に出るまで着信をかけてきたりするお子さんもいます。
このような状態が続くと親子間の依存関係が強くなってしまうので、子どもに対して自分の都合で他人を動かすことはできないということを教え、親がすべてを受け入れるわけではないことを示してくことが必要です。
【対応】
- 不登校の子どもの連絡に対して仕事中や忙しい時にすぐに連絡を取るのではなく、親自身の生活リズムを崩さないようにする。(ただし、本当に緊急な連絡の場合もあるため、お子さんの状況を見極めながら対応していく必要があります)
友達とは遊んだり家族で出かけるが学校に行かない場合
【考え方】
学校に行く必要性を感じていなく、周囲からの評価を気にしていなかったり、学校で求められる協調性やルールに合わせることから避けていると考えます。
また、学校では集団生活を通じて社会的なスキルや人間関係を学ぶことが重要ですが、家族や友達との遊びの場は、比較的気を使わない「自由な空間」です。
友達と遊ぶことが悪いことではありませんが、友達との遊びだけでは、学校で学ぶべき協調性や責任感が育ちにくいため、学校復帰に直接つながるとは限りません。
むしろ、遊びを優先することで、学校生活の重要性を軽視することにもつながる危険性もあります。
【対応】
- 学校に行っている友達と遊ぶことは悪いわけではなく、むしろ復学する際に協力してくれて戻りやすくなりますし、学校に戻った後も友達がサポートしてくれます。親としては、遊びの中で得られる自由さと、学校での責任感や協調性の違いを明確に持っておくことは必要です。
学校には行くが授業を受けない、保健室登校が続いている場合
【考え方】
保健室では教室に比べて緊張感や複雑な人間関係がなく、子どもにとって居心地の良い空間ですが、この「都合の良い環境」に長く居ることは、教室に戻る機会をさらに遅らせてしまいます。
保健室は本来、体調不良の生徒が一時的に利用するための場所であり、不登校のお子さんが長期的に通う場所ではありません。保健室にいることで一時的には安心感が得られますが、長期的には教室に戻ることがさらに困難になるという現実があります。
そして、中には優しくしてくれる保健室の先生に過度に依存してしまうお子さんもいます。
保健室の先生が期待通りの対応をしなかったり、少しでも違う対応をした際には「裏切られた」と感じ、一気にその相手に対する評価が変わってしまうこともあり、保健室登校さえも行かなくなります。
このように、保健室登校が長期化すると、授業に戻ることがますます難しくなり、教室復帰のタイミングが遅れれば遅れるほど、学習面や社会性の面での遅れが取り戻しにくくなるリスクも伴います。
【対応】
- 保健室は本来、病気のお子さんが利用する場所であり、不登校のお子さんが長期的に利用する場所ではないということを親は子どもに示していくことが必要です。
登校はするが友達関係に問題がある場合
【考え方】
友達関係に問題を抱えているお子さんは、最初は友達の輪に入ることができても、徐々にその輪から離れてしまい、「人付き合いに興味がない」と振る舞ったり、「周囲のレベルが低い」と他人を見下すような態度を取ることがあります。
これは、友達がいない状況に自分なりに正当化してしまうためです。
友達がいない状態が長く続くと、人間関係を築くためのスキルが磨かれず、ますます友人を作ることが難しくなる悪循環に陥ります。
特に不登校になりやすいお子さんは、友達に対して「心の友」、つまりお母さんのように何でも理解し、常に気遣ってくれる存在を求めがちです。
しかし、学校では、時には意見が合わなかったり、衝突があるのが当たり前です。この違いを理解できず、ギャップに苦しむことで、不登校の原因となることもあります。
親との強い絆や信頼感は家庭では非常に重要ですが、純粋で素直なお子さんほど、家庭で築いてきた親との関係と同じものを学校にも求め、そのギャップに戸惑ってしまいます。
そのため、学校での集団生活を通じて、他の人との適切な距離感や協調性を学ぶことがとても大切です。親との依存関係を少しずつ解消し、学校での人間関係に慣れ、自分で対応できる力を育てることが、子どもが自立するために必要なステップです。
【対応】
- 親は日常生活の中で、すべてを子どもの思い通りにしないよう心がけ、子どもが「すべてが思い通りにいくわけではない」ことを学ぶ機会を作ります。
- 兄弟喧嘩にも間に入って仲裁してしまう親御さんもいますが、兄弟喧嘩は時には見守ることも必要です。兄弟喧嘩を通じて意見が合わないことや、時には喧嘩があることが自然なことだと学ぶことができます。(暴力するなどの喧嘩に発展する場合は適切な対処が必要です)
転校したいと言っている場合
【考え方】
不登校のお子さんが転校を希望する場合、「劇的に自分を変えたい」という思いから、時に自分の能力を超えるような難しい目標や挑戦に目を向けることがあります。
例えば、「通信制に行きたい」「海外留学したい」といった提案は、現状から逃れたいという強い欲求や、周囲の環境を大きく変えることで、自分や周囲の評価が一変すると期待している場合が考えられます。
こうした考えは、「今の環境が自分に合わないからこそ、新しい場所ならうまくいく」という思い込みに基づいていることが多いです。
しかし、環境を変えるだけでは根本的な問題が解決されるわけではなく、新しい環境でも同じ問題に直面することが少なくありません。
環境の変化は一時的な改善をもたらすかもしれませんが、根本的な自立心や協調性が育まれなければ、同じ問題が起こる可能性が高いです。
そのため、転校が最善の解決策であるかどうかを慎重に見極める必要があります。
【対応】
- 転校に対して過度な期待を抱かず、現実的な視点で転校が本当に有効な解決策になるかどうかを慎重に判断する。
- 環境を変えることよりも、今の環境でお子さんが自立して対応できるよう、自立心や協調性を育てることを重要視する
部活や塾など、すぐに辞めてしまう場合
【考え方】
お子さんが部活や塾などをすぐに辞めてしまう場合、特にその辞め方がスムーズでなく、無断でやめたりトラブルやわだかまりを残して終わることが多い傾向があります。
環境を変えることを繰り返したり、LINEの友達を削除したり、関係をリセットしようとすることもあります。
学校に通っていても習い事や部活を続けられない理由の一つに、本人の意思ではなく親の期待や希望で通っている場合があります。
親の期待が強すぎると、子どもはそれに応えるプレッシャーを感じ、無理に続けようとしますが、最終的には辞めたいという気持ちが強くなり、無断で辞めたり、トラブルを抱えたまま辞めることが多くなります。
【対応】
- 習い事を選ぶ際は、親の期待で選ぶのではなく、子ども自身が選び、決断する機会を持たせましょう
- 特に不登校の場合、学校に行かなくなると同時に塾や習い事にも行かなくなる傾向が多いですが、「学校に行っていないのだからせめて塾に行かせよう・習い事に行かせよう」とすることはかえって逆効果になりますので、やる・やらないは本人の問題と考えましょう
子どもが普段から何も話をしてこない場合
【考え方】
不登校の中学生のお子さんは、学校に行けていないことへの不安やプレッシャーから、親と楽しく会話をする気分になれないことが多いです。
親としては、子どもとのコミュニケーションを大切にしようと思い、「今日は何をして過ごしたの?」などと質問をして会話を増やそうとしますが、こうした質問が一方的なものになりがちです。
子どもは親の質問にただ答えるだけの受動的な状態に陥ることがあり、これでは親が意図する「対話」にはなっていません。
親御さんは「会話ができている」と感じても、実際には子どもが主体的に参加しているわけではなく、表面的なやり取りに留まってしまうことがあります。
このような場合、子どもにとっては親との会話が義務的なものに感じられ、ますます話すことを避けたくなる原因になりかねません。
無理に話をさせようとすると、逆に子どもはますます口を閉ざしてしまうこともありますので、自然な形で会話することを心がけ、プレッシャーを与えないようにしましょう。
【対応】
- 子どもが普段から何も話してこない場合、親が一方的に会話を進めていないか確認することが重要です。親からの会話が多すぎると、子どもは受け身になり、ますます話さなくなる傾向があります。
- 親が話をリードしすぎると、子どもは「答えなければならない」と感じ、ますます部屋にこもりがちになります。会話の主導権を手放し、子どもが話したい時に話せるような親の姿勢を作りましょう。
不登校中、勉強をしない場合
【考え方】
不登校中にお子さんが勉強をしないことは、親にとって大きな不安や心配の原因になるかもしれませんが、勉強を勧めることは逆効果になることが多いです。
また、親は意図していなくても子どもに「勉強をしていれば学校に行かなくてもいい」と誤解させてしまう危険もあります。
このような状況は、復学が難しくなる要因となるため、まずは勉強を強要せず、子どもが1日でも早く学校復帰への準備が整うことを優先することが大切です。
【対応】
- 勉強をしないこと自体を責めたり、無理に進めさせることは避けましょう
- 勉強の遅れは、学校に戻った後でも取り戻すことが可能であるため、まずは勉強よりもまず、学校に戻ることを優先しましょう
ゲームやスマホを長時間利用している場合
【考え方】
ゲームやスマホの使い方について、親御さんの悩みの種の一つだと思います。特に不登校のお子さんの場合、スマホやゲームに多くの時間を費やすことがあり、その影響を心配だと思います。
中学校であれば、友達や部活での連絡がLINEで行われることも多いため、スマホやゲームの利用が悪いとは思いませんが、不登校中は使い方次第で、自己管理する力を育むことができる一方で、SNSを通じて自分に都合の良い情報だけを集めることで、思考が偏り、学校復帰がさらに難しくなる可能性もあります。
スマホやゲームの使用に関するルールを守るためには、普段から親子の関係性を築くことが大切です。
【対応】
- 学校に行っている子どもが使わない時間帯、例えば学校の時間や深夜などは、使用を制限することが望ましいですが、強引に制限をかけると親子関係が悪化したり、暴力的な反応を引き起こす場合もあるため臨機応変な対応が必要です。
- 中学生にスマホを持たせる理由が「友達が持っているから」だけにならないよう、何のためにスマホを持たせるのか、親がはっきりと考えてから与えるようにします。
- スマホは親の持ち物であり、親が貸し与えているものだという認識を子どもに持たせることが重要で、その関係性を普段から築いておくことが重要です。
復学後も適切な距離感を保つこと
復学後、お子さんが自立していくためには、親御さんが物理的にも精神的にも子離れをして、適切な距離感を保つことが重要です。
目安として、お子さんの年齢 × 10センチの距離を意識しましょう。
12歳のお子さんの場合、120センチ(1.2メートル)の距離を意識して接することが適切な距離感の目安になります。この距離感を保ちながら、過度に干渉せず、必要な時だけサポートするようにしましょう。
親が過干渉になったり、物理的にも近くにいすぎると、お子さんは親に依存してしまい、自立心や協調性が育まれなくなります。
事例・体験談
中学生の復学事例を紹介します。
朝起きると「体調が悪い」と言い、昼夜逆転し、自分の髪の毛を抜いていました。
娘は中学校に入学した翌日から「学校に行きたくない」と言うようになりました。最初はただの一時的な気持ちかと思いましたが、数日後には「体調が悪い」と言い始め、病院を受診しました。さまざまな検査を受けた結果、体の異常はなく、心因性によるものだと診断されました。
私は、友達がいないことへの不安が原因だと思っていました。そこで、「みんな新しいクラスで友達を作ろうとしているから、行けば友達ができるよ」と、泣いて嫌がる娘を無理やり制服に着替えさせ、車で学校に送りました。
欠席や遅刻、早退を繰り返しながらも、なんとか学校に通う日が続いていました。
しかし、1学期の期末テストが終わった翌日から、娘は再び学校を休むようになり、夏休みが明けても教室には行けませんでした。時々、学校の相談室には通っていましたが、教室に戻ることはできませんでした。
その後、スクールカウンセラーや病院の先生にも相談をしましたが、娘の状況は変わらず、不登校の状態が続きました。Go Todayに依頼するまで、不登校の期間は約1年3ヶ月に及びました。
不登校になってからは、娘が学校に行けないことが私にとって一番の悩みでした。
娘の将来がどうなるのか、ただただ不安でした。さらに、昼夜逆転が続き、夜中にはスマホやパソコンでゲームや動画を見て過ごす生活になっていました。
髪の毛を自分で抜くようになり、部屋には髪の毛がたくさん落ちているのも心配の種でした。
Go Todayを選んだ理由は、復学した知人からの紹介でした。
1年以上経っても娘が動き出す様子がなく、私自身、過保護や過干渉が良くなかったと自覚していましたが、具体的にどうすれば良いのか分かりませんでした。知人の話を聞き、Go Todayのサイトや本を読んだ結果、すぐにお願いしようと決心しましたが、夫は反対でした。
夫は、「そのうち自分から動き出すだろう」と私が言っていたこともあり、娘に何も言わず待っていました。いきなり学校に行かせるためのことを始めるなんて、と戸惑いがありました。
しかし、夫に今まで我慢していたことを娘に話してもらったところ、娘の反応は返事こそするものの、変わる気配は感じられませんでした。それを経て、夫もようやく「お願いしよう」と賛成してくれ、面談の申し込みをしました。
指導を受けたことで、私自身も大きく変わりました。
以前の私は過保護・過干渉で、娘の自立を妨げるような対応ばかりしていました。とても口うるさい親でしたが、それが普通だと思っていました。
しかし、Go Todayの指導を受けてからは、口出しせずに娘が自分で考え行動するように待つことができるようになりました。
今では、娘が失敗しても「良い経験をしたね」と思えるようになりました。
以前は娘が失敗すると、「ママがこうしろって言ったから…」「ママが○○って言ったから…」と、失敗の原因を私のせいにすることも多かったです。しかし、娘が自分で考えて動くようになってからは、そういった言葉を口にすることがなくなりました。
現在、娘は中学3年生で受験生です。学校に行っていなかった期間の遅れを取り戻すため、自分で「○○塾に行きたい」と決め、通い始めました。進学したい高校も自分で選び、今ではその高校に合格する見通しが立っています。
娘が「学校に戻るきっかけとなった日」のことを振り返り、「あの日のこと、感謝している」と言ってくれた時には、本当に胸が熱くなりました。
また、通知表をもらうたびに、娘は『欠席0』を誇らしげに見せてくれます。今では心因性の体調不良に悩むこともなくなり、元気に過ごしています。
正直、最初は「娘が入学してからずっと嫌な思いをしていた学校に本当に戻れるのだろうか?」と不安に思っていました。指導が始まっても、心のどこかに半信半疑な気持ちが残っていました。
しかし、再登校した日、私はその不安が確信に変わりました。「親が変われば子どもも変わる」という言葉は本当でした。
娘には自分で考え、行動する力が備わっていたのです。
Go Todayの皆さんからたくさんのことを教えていただき、そして気づかせていただいたことに感謝しています。この機会を作ってくれた知人にも感謝の気持ちでいっぱいです。
皆さん、本当にありがとうございました。
発達障害だから薬を飲んで様子を見ましょう」「入院治療しましょう」といわれていました
小学5年生の3学期が終わろうとする3月半ば、息子が突然「明日、学校に行きたくない」と言い始めたことをきっかけに不登校が始まりました。本人は「もう5年生は行かない。6年生になったら行く」と言っていましたが、最終的には、新1年生の入学式準備に一度参加しただけで、学校に登校することができなくなりました。
息子は「クラスの子にきつく当たられて、ずっと我慢していたけれど、もう無理」と言って休み始めました。しかし、小学校は1学級40人で、6年生になってもクラス替えがなく環境が変わらないため、再び学校に行ける様子は見られませんでした。
そこからは私が学校に働きかけ、担任の先生に自宅に来ていただいたり、息子が「修学旅行は行きたい」と言ったので、別室登校をお願いしました。なんとか修学旅行には参加することができましたが、それ以降は別室登校も難しくなり、ほとんど登校できない状態が続きました。
なんとか卒業式だけは出席し、小学校を卒業することができましたが、息子の状態は日に日に悪化していきました。それまでできていたことができなくなり、今までは感じなかったような恐怖や不安を抱えるようになりました。
具体的には、「人が怖くてレジに並ぶことができない」「道を歩くと車に轢かれる気がして怖い」「暗くなるとお化けが怖くて一人でお風呂に入れない」といった恐怖心を感じるようになったのです。
それでも息子は、「中学校になったら行ける。違う小学校の子たちも来るから環境が変わって大丈夫だ」と言っていました。
しかし、中学校の入学式に出席し、その後1日だけ登校したものの、再び学校に行けなくなってしまいました。
5月に入り、GoTodayに復学支援をお願いしました。その結果、1学期終了の1週間前には再登校ができるまでに回復し、その後は継続して登校できるようになりました。
息子が不登校になった時、単に学校に行かないだけではなく、これまでできていたさまざまなことが次第にできなくなっていくことに、非常に強い不安を感じていました。
特に、「このままでは、この子の将来はどうなってしまうのだろう」という漠然とした恐怖に悩まされ、口では「もう休んでいいよ」と言いながらも、内心では「いつ学校に行けるようになるんだろう」と焦りや苛立ちを抱えてしまっていました。
それが私にとって非常につらいことでした。
GoTodayを選んだ理由としては、最初に県の不登校支援に相談に行き、親子ともにカウンセリングや学校への対応の仕方を学びました。しかし、息子は徐々に行き渋りが強くなり、私もその指導に基づいて対応を試みましたが、状況が改善される気配はありませんでした。
次にスクールカウンセラーに相談しましたが、そこでのアドバイスは、私自身の悩みを聞くだけに終始し、息子に対する具体的な解決策は見つかりませんでした。
さらには、別室での短時間登校に対して「無理させすぎではないか」「無理をしない方がいい」といった意見を聞き、ますます悩んでしまうことが多くなりました。
こうした支援機関やカウンセラーは、どちらも「お母さんはどうしたい?」「次にお母さんはどうする?」と、私に決断を求めてくる形だったため、何をすれば良いのかわからない私にとっては非常に苦しいものでした。
息子の精神状態が不安定になってからは、病院にも通い始めましたが、そこでの対応は「発達障害だから薬を飲んで様子を見ましょう」「入院治療も検討しましょう」というものでした。それも私にとっては受け入れ難いものでした。
そんな時、偶然GoTodayのサイトに出会い、「親が変われば子どもも変わる」「継続登校ができる」という言葉に背中を押されました。
まだ不安はありましたが、最初の面談で「全然大丈夫。すぐに登校できるようになりますよ」と言われたことに驚きつつも、それが大きな安心感に変わり、復学支援をお願いする決心をしました。
復学支援を受けて、まず私自身の変化に気づきました。これまで、息子に対して過干渉で、先回りして対応していたことが多かったのですが、少しずつその手放し方を学びました。まだ心配症な部分はありますが、以前よりも随分と子どもを信頼して見守ることができるようになりました。
息子もまた、復学支援を受ける前は自己肯定感が低く、「どうせ自分なんて」と言ってばかりでしたが、再登校してからはそういった言葉を口にしなくなりました。
自己肯定感が高まり、自分に自信を持つようになったと感じています。
また、私に対しても感謝の言葉を言うようになり、それも大きな変化でした。
宿題に関しても、以前は私が先回りして手助けしていましたが、今では自分で計画を立てて取り組むようになり、自分のことを自分で考えて行動する力が育ってきたように思います。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
GoTodayの皆様には心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
約5ヶ月不登校・子供が考え、行動し始めることを待てるようになりました
不登校になる前とあまり変わらない日常生活を送っていましたが、学校や勉強について話すことは避けていました。学校の友達とは時折LINEで連絡を取っており、関係は続いていたようです。
担任の先生からは何度か電話をいただいていましたが、最初の2回ほどは応じていたものの、その後は電話に出ることを拒否するようになりました。不登校期間は約5ヶ月間でした。
不登校になったことで、「いつになったら学校に行けるようになるのだろうか」と不安を抱えていました。最初は〇〇(他の相談機関)に電話相談をしてアドバイスをいただいていましたが、お子様に特に変化が見られなかったため、さらに別の方法を探すことになりました。
GoTodayを選んだ理由は、鈴木先生の書籍『ある日、うちの子が学校に行かなくなったら』を読んだことが大きなきっかけです。書籍の中で、「親の問題と子供の問題を分ける」という考え方に強く共感したためです。
また、東京に本部があり、すべてのお子様が復学されていると聞き、信頼できると感じて支援を依頼することにしました。
復学支援を受ける前は、親が先回りして子供の生活全般に口出しや手出しをしていたと感じています。朝の起床、宿題、お風呂、テスト勉強の計画(特にテスト勉強の予定をお母様が作成していた)から、就寝に至るまで、ほとんどのことに親が介入していました。
復学支援を受ける中で、「子供の問題は子供が考え、解決すべきものである」と教えられ、口出しや手出しを控えるようになりました。
特に、何をするか、いつするかは子供自身が決めるべきだと学び、それを実践した結果、自ら考えて行動する姿が見られるようになりました。子どもが自発的に行動するまで待つという姿勢を取れるようになりました。
その他の事例はこちらをお読みください。
GoTodayの復学支援
GoTodayでは、「親が変われば、子は変わる」という考えを基本に、お子さんの復学支援を行っています。
不登校中の中学生の問題行動は単独で起こるものではなく、複数の問題が連動して発生することが多いです。
そのため、私たちはご家庭の状況に合わせて、親御さんに適切な対応方法を具体的に指導しています。
どこから手をつければ良いのかわからないと悩む親御さんも多いと思います。
GoTodayでは、そうした不安を一緒に解決していくために、個別の状況をお聞きしています。
「どう対応すれば良いかわからない」「今のやり方でいいのか不安」と感じる親御さんは、ぜひ一度ご相談ください。
GoTodaではお悩み別の考え方・対応策について下記で書いています。お子さんの状況に合わせてお読みください。
まとめ
- 不登校には表面的な問題と根本的な問題が関わっている
- 表面的な問題の例:友達や先生とのトラブル、授業が理解できない、体調不良など
- 根本的な問題の例:社会性の未熟さ、自立心・協調性の不足(本人も自覚していないことが多い)
- これらの2つの問題が重なることで、子どもは学校に行けなくなる
- 親子関係や家族のバランスの乱れが、子どもの行動や感情に影響を与える
- 不登校は子ども本人の問題だけでなく、家族全体の問題として捉えることが必要
- 親が過保護・過干渉で、子どもの問題にすぐに介入してしまう
・親が口うるさく、子どもに年齢相応の自立を促せていない
・学校や習い事の管理を親が行い、子どもに責任感が育たない
・中学生になっても子ども扱いし、友達との価値観にズレが生じる
・親子が友達のような関係で、家庭内の安心感や上下関係が希薄 - 親が子どもの顔色を伺い、気を使いすぎている
・子どもの本音を聞かず、想像で対応を決めてしまう
・親子のコミュニケーションがすれ違い、溝が深まる - 子どもが主導権を握り、親の対応を見透かしている
・親が子どもの要求に屈してしまい、親子の力関係が逆転している
・親が一貫性を持たず、子どもに見抜かれている
・問題行動があっても、親がしっかりと叱ることなく、見過ごしてしまう
これらの対応は、家庭の状況に応じて柔軟に適用し、必要に応じて専門家のアドバイスを求めることが大切です。
- 1. 引きこもって会話もできない場合
・子どもに過度に気を使わない(食事を部屋に運ばない、好きなものばかり用意しない)
・家庭の生活リズムを崩さず、親自身も通常の生活を送る
・子ども中心の生活に偏りすぎないように注意 - 2. 体調不良で学校に行けないと言われた場合
・本当に病気かどうか慎重に見極める(登校時間後の体調回復や休日の状況を見る)
・「体調不良を訴えれば休める」というパターンを作らない - 3. 車で送ってと言われた場合
・自力で学校に行くことを促し、送迎は特別な場合を除いて控える
・自立心を育むために過度なサポートをしない - 4. 頻繁にLINEやメール、電話で連絡してくる場合
・すぐに連絡を取らず、親自身の生活リズムを守る
・子どもに他人をコントロールできないことを親の態度で教える - 5. 友達とは遊んだり家族で出かけるが学校に行かない場合
・親は学校と遊びの違いを理解し、友達との遊びに頼らない
・親は学校でしか協調性や責任感が育まれないことを念頭におく - 6. 学校には行くが授業を受けない、保健室登校が続いている場合
・保健室は一時的な場所であることを理解させ、教室復帰を目指す
・長期的に居心地の良い環境に依存しないように注意する - 7. 登校はするが友達関係に問題がある場合
・学校での集団生活を通じて適切な距離感や協調性を学ばせる - 8. 転校したいと言っている場合
・環境の変化だけでは根本的な問題は解決しないことを親は念頭におく
・環境を変えるよりも自立心や協調性を育むことに焦点を当てる - 9. 部活や塾など、すぐに辞めてしまう場合
・親の期待で選ばせず、子どもが自分で決断する機会を持たせる
・無理に続けさせようとしない(無理に続けさせなくても子どもが自分でやり続けられる始め方をする) - 10. 子どもが普段から何も話をしてこない場合
・会話を無理に促さず、子どもが話したい時に話せる環境を作る
・親が話しすぎないように心がける - 11. 不登校中、勉強をしない場合
・無理に勉強を強要せず、学校復帰への準備を優先する
・勉強の遅れは後から取り戻せることを親は念頭におく - 12. ゲームやスマホを長時間利用している場合
・学校の時間や深夜のスマホ利用を制限し、使用理由をはっきりさせる
・スマホの所有は親が管理することを理解させてから購入する
- 親御さんは物理的・精神的に子離れを意識することが重要
- 普段は最低でも年齢 × 10センチの距離感を目安にする(例:12歳なら1.2メートル)
- 物理的に近くにいすぎると、親に依存し、なんでも聞いてくる子になる