こちらの記事は2024年8月19日に更新されました
- 不登校で子どもが親、兄弟にも暴力・暴言をして困っている(あれ買ってこい!死ね!など)
- 子どもが暴れたり暴言を吐く理由は何なのか?
- 暴れたり、暴言を吐くのはただの反抗期なのか?
- 自分の意見が通らないと親だけではなく兄弟にも手を出して困っている。
家庭内暴力は、毎日大変な思いで親御さんも過ごしていらっしゃると思います。
普段おとなしかった我が子が、ある日突然暴力を振るい始める。
そのような状況に戸惑いますよね。
どんなに暴れて親や兄弟を殴る子どもでも、親自身が、その理由を理解して、意識を変えれば決して子どもは殴らなくなり、親子で適切な関係を築くことができるようになります。
そのために、不登校児が暴れている場合は、まず【反抗期で暴れているのか】それとも【家庭内暴力で暴れているのか】を見極めることが非常に重要です。
なぜなら、その二つで対応策が異なるからです。
GoTodayはそのどちらにも多くのケースを対応してきたので、その経験から見極め方と対応策を解説します。
小中学生復学支援GoTodayでは、不登校克服を専門に、小中学生のお子さんの不登校でお悩みのご家庭に「親が変われば、子は変わる」という考えに基づいた支援を提供しています。
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最終更新日:2024年8月16日
家庭内暴力と反抗期の違い
あなたのお子さんが、暴れたり、暴言を吐いたりしているのは、ただの反抗期だからか?それとも家庭内暴力なのか?現在のお子さんの状況から見極められるようにしました。
あなたのお子さんがどの状態に当てはまるのか読み進める前にまずチェックしてみてください。
A.B.C.Dそれぞれ図の下で説明を加えています。
全てのお子様に当てはまるわけではありません。
良い関係だと思います。
これって反抗期?家庭内暴力?と感じることがあればまたチェックしてみてください。
注意点としては、なんでも言うことを聞き、全く反抗してこない場合は、親の顔色を伺ったり、周りに気を遣って「自分でやりたい」という欲求が少ない場合がありますので、「手のかからない子」と思い安心せずに良い親子関係を保てるように心がけてください。
反抗期は自立するためには必要な過程です。
兄弟喧嘩はあっても一方的に暴言暴力をすることはあまりありません。(主な様子としては親に対して死ね、壁を蹴る、物に当たるなど)
この時期は子どもは生意気なことを言うこともありますが、親はグッと堪えてやり返さないようにしましょう。
反抗期の対応を間違えると家庭内暴力に発展することもあるので気をつけましょう。
家庭内暴力は親に依存して攻撃する「依存攻撃」であることが多く放っておくとエスカレートします。
親以外にも兄弟や祖父母に対しても暴言・暴力を一方的に振るうことがあります。(主な様子としては、殴る、蹴る、こんな俺(私)にしたのはお前らだ、夜中に寝ていても構わず起こして奇声を上げて寝かせないようにする、機嫌が良い時は逆にものすごくベタベタと甘えてくることがある)
中学生になると体も大きくなり力も強くなるため家庭内だけでの対応で収められないケースが多くなります。
暴力を振るわれ、怪我を負ったり、兄弟姉妹にまで危険が及び、生活に支障が出る状態であれば、家庭内での対応が難しい場合は早急に手を打つ必要があります。
まだ小学生低学年だったり、暴力や暴言がない場合でも思い通りにいかないと癇癪を起こしたり、親や兄弟姉妹に命令するお子さんの場合、家庭内暴力に発展する場合があります。
そのままにせず、親の関わり方を見直した方が良いです。
一般的に考えられる家庭内暴力・暴言の原因
家庭内暴力は、警察庁生活安全局少年課による報告書「令和4年中における少年の補導及び保護の概況」によれば、令和3年度時点で、家庭内暴力の認知件数は4,551件にのぼります。
実際に家庭内暴力をおこなうのは中学生がもっとも多く、次に高校生、小学生の順となっています。
同報告書によると、家庭内暴力の動機は「不明」を除くと、
- 1番多いのが「しつけ等親の態度に反発して」(2995件、全体の65.8%)、
- 2番目が「物品の購入要求が受け入れられず」(552件、全体の12.1%)、
- 3番目が「理由もなく」(359件、全体の7.8%)となっており、
以降「勉強をうるさく言われて」「非行をとがめられて」といった動機が続いています。
非行をとがめられた際に反発して起こる家庭内暴力は意外と少なく、保護者の態度への反発から生まれる家庭内暴力が圧倒的に多い結果となっています。
Go Todayが考える家庭内暴力・暴言の原因
次にGo Todayが考える家庭内暴力・暴言の原因について書いていきます。
主に5つあると考えています。
- 現状と将来への不安と不安に対してのイライラ
- 不安を解決してもらえない親への不満と怒り
- 養育歴の中でつくられてきた親への反発・憎しみ・敵意など
- 小さい頃から親や祖父母から物やお金を与えられ困ったことがなく、自制心がない
- 思っていることを言葉で伝えるのが苦手
この中でも一番こじれやすいのが③養育歴の中でつくられてきた親への反発・憎しみ・敵意などです。
これらの「うまくいかない不快感」が自分に向けられることで落ち込んだりしますが、外に向けられると家庭内暴力になります。
女の子は、男の子のように暴力に現れることは少なく、どちらかというと自分の体を傷つける傾向があります。
他にも、このような対応をされていると家庭内暴力の基礎が出来上がりますので、注意が必要です。
反抗期の場合の対応策
反抗期の時期に子どもから「うるせー」「キモい」など子どもから激しい言葉で言われると親の方が感情的になってしまうところですが、反抗期は必要な過程なので、親はグッと堪えてやり返さないことです。
子どもは自我が出てくることで、自分はダメだと否定的になったり、親のことを否定したり、容赦なく嫌な言葉を言ってきたりしますよね。親に向かって色々サインを出しています。
しかし、親が気づかなかったり、無視していたり、子どもの話を聞ける親になっていなかったり、逆に親の方が逆上したりすると子どもは家庭内暴力などの問題を起こします。
親はこのような時、慌てたりおどおどしているのではなく、強いブレない心で子どもの気持ちを受け止め、堂々として落ち着いた気持ちで言葉を返していくことが大切です。
Go Todayの支援を受けていた中学生の娘さんをもつ親御さんからの報告でこのように子どもから言われたということで教えていただいた内容を載せます。
お母さんは私の話を聞いてくれない。お母さんの考えや感想はいらない。私はただ話したいだけ。
学校での悩みを聞いていた時に、お母さんが「それはこうしたらいいんじゃない?」と言った時に娘さんから言われた言葉のようです。
つまり、反抗期の子どもとの会話は、相談ではなく話を「うん、うん」と聞き役に徹してもらいたいだけということです。
「今日学校で〇〇が〇〇で〇〇だったんだよ」と話してきた時に、親が深掘りしたり、聞いたり人生の先輩としてアドバイスしようとすると、この時期の子どもは嫌がります。
とにかく聞き役に徹することが大事です。
家庭内暴力の対応策
まず、考えることは「親子で話ができる」状態かどうかです。
家庭内暴力が起きている場合は、もともと関係が悪くなっているので、ほとんどの場合で親子での話し合いは効果がなく、いつも同じパターンで決裂します。
「親子間で話ができるかどうか」で対応を分けてお伝えします。
親への反発・敵意が少なく必要な会話はできる場合は、「自分が抱えている不安を解決する方法がある」と思えたとき、暴力は収まってきます。
例えば、不登校のお子さんで学校に行きたいけど行けずに悩んでいる場合、「みんなと同じことができない自分への不安」が外に向けられて暴力を行います。
そのような場合は、登校日が決まり、なんとか自分も学校に行けるようになるんだ。と思えたときに暴力は落ち着いてきます。
また、お子さん本人が話を聞く姿勢があれば、本人がその人なら少しでも話を聞けるような第三者がいれば、その人を仲介役にして話をしてもらい、落ち着かせることができますので、第三者に関わってもらうことが良いです。
(ただし、第三者であれば誰でも良いというわけではなく、お子さん本人の性格を見極めてうまく関わることができる第三者が望ましいです。)
それと同時に家庭内暴力が起きない環境づくり(親の関わり方など)をし、お子さん本人が自立を目指すことで根本的な解決ができます。
【重要】不登校を根本的に解決するための基本的な親の考え方とは?
お子さん自身も聞き入れる余裕が無く、直接話ができない状況で、暴力が親、兄弟などに向けられていて家族では対応しきれない場合ではなるべく早く専門家に相談されることをお勧めします。
家庭内暴力をするお子さんの特徴として、暴力を振るったりする一方で、急にベタベタと甘えてきたり、謝ってきたりすることがあり、年齢相応の自立ができていなく、幼い傾向があります。
暴力を振るわれても子どもから謝られると簡単に許してしまう親御さんの場合、子どもは暴れても謝れば許してもらえると思い込み、自分の望み通りにしようとしてまた暴れます。
また、「包丁を持ち出してきた」「命の危険を感じる」となった場合はまずは他の兄弟姉妹たちを守りつつ、親御さんの気力が残っているうちに対応するためにも家庭内暴力が慢性化する前に相談されるのが何より大事です。
家庭内暴力が起きた時の家庭での対応策
家庭内暴力が起きたとき、家庭でできる対応策としては、落ち着くまで距離を取ることが大事です。
親がなだめようとして、「ごめんね」と謝ったり「やめなさい!」などと大声で叫ぶと、もっと興奮することもあります。
ただし、家庭内暴力の場合は、状況が状況ですので、家の中にいる場合は、離れようとしても追いかけてきたりする場合もあり、暴力がエスカレートする危険もあります。
親には手に負えない場合は、不登校児の家庭内暴力の解決実績のある専門家に相談する必要があります。
GoTodayにもご相談いただければ、不登校児の家庭内暴力は対応可能です。
ご家族だけで悩まずにご相談ください。
家庭内暴力・暴言のお子さんの復学事例
Go Todayの復学支援を受けて暴言暴力が治ったご家庭の復学事例をご紹介します。
発達障害の診断を受け服薬・親や兄弟への家庭内暴力・ゲーム依存がありました。
《体験談全文はこちら》
復学支援を受ける前の状況
- 小学校3年生の頃から、暴言や親兄弟への暴力に悩んできました。
- 自治体の教育相談窓口に息子の暴力を相談すると児童精神科のクリニックに行くように勧められて通院を始めました。クリニックでは、発達障害と診断されて薬を処方されました。
- 医師からは暴力を落ち着かせる為に薬が処方されましたが、不登校のまま、家庭内暴力はおさまらずに中学生になりました。
- 息子は私の声がけを嫌がり、暴力が続きました。
復学支援を受けて変わった様子
- 朝は自分で起床し、時間になると身支度を整えて登校していくようになりました。
- 息子は希望する高校を受験し、無事に合格をすることができました。
- また、親自身も子供から離れて自分のことに目を向ける時間を持つようになり、子育てがとても楽になりました。
- 親子関係も少しづつ改善がみられるようになり、一緒に必要な買い物に出かけたり、家族で食卓を囲むようにもなってきました。
2年間不登校・昼夜逆転 | 学校の先生も地域の支援も拒絶していました。
《体験談全文はこちら》
復学支援を受ける前の状況
- 不登校になってから、昼夜逆転でゲームばかりしていて、親が注意をすると反発し、暴力を振るうこともありました。
- 生活面では、偏食になり不衛生な生活を送っていました。
- 学校の先生も地域の支援も拒絶、フリースクールには数回行きましたが、続きませんでした。
復学支援を受けて変わった様子
- 私自身は、ごく普通だと思っていた子どもへの関わり方が、過干渉であり、先々の心配をし過ぎていたことが分かりました。
- 親が干渉しなくても、息子が自分で考え行動できる力を持っていることが分かりました。
- 欠席することなく、部活も学校行事も本当に楽しそうに過ごしています。
小5長女・小3長男の不登校 「子ども達の様子を細かく相談し、一つ一つ的確なアドバイスをいただきました」
《体験談全文はこちら》
復学支援を受ける前の状況
- 元々「片付けなさい!」「遊ぶ前に宿題やりなさい!」「いい加減にしなさい!」と過干渉だった私は、そうしてますます過干渉な母になっていきました。
- 最初はやる気もあって楽しく通っていたもののだんだんしんどくなってきて、塾の宿題や学校の宿題を完璧にやらなくてはと背負い込み、息抜きの方法も分からず4年の2月(塾の学年が上がるタイミング)で塾に行きたくない、学校も行きたくないと休むようになりました。
復学支援を受けて変わった様子
- 反抗してイライラしてすぐにきょうだいに八つ当たりの暴力をしていた長女が嘘のように穏やかになりました。
- 過干渉で口うるさかった私は復学支援のおかげで人格が変わって見えるほど黙って見守ることができるようになったのです。
- 「毎日楽しいんだぁ!」と生き生きと楽しんで学校に行くようになりました。
「自分は生きていても意味がない」「死にたい」と言っていました。
《体験談全文はこちら》
復学支援を受ける前の状況
- 暴言、「自分は生きていても意味ない」「死にたい」など言うようになり、暴れるなど繰り返し、PCゲームにハマり、日中は部屋で寝て過ごし、夜21時くらいから朝4時までゲームをして過ごす昼夜逆転の生活をしていました。
- 自分は死ぬ前に社会的に大きいこと(事件)を起こしてやるとの発言も聞かれ、その前に親である私が阻止しなければと毎日緊張していました。
復学支援を受けて変わった様子
- 最初は「義務だから仕方なく学校に行ってる」と言っていた子供ですが、今では学校での自分の役割や、居場所ができたようで、毎日ちゃんと自分で起き、楽しそうに家を出ていきます。
- 帰宅後は、学校であった話や将来の夢?など色々な話をしてくるようになりました。
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まとめ
- 親子関係が良好でも、子どもが全く反抗してこない場合は、親の顔色を伺ったり、周りに気を遣って「自分でやりたい」という欲求が少ない場合があるので、「手のかからない子」と思い安心せずに親子関係を保てるように心がける。
- 反抗期は自立するためには必要な過程です。子どもが生意気なことを言ってきても親はグッと堪えてやり返さないようにする。
- 家庭内暴力は親に依存して攻撃する「依存攻撃」であることが多い。親だけでの対応が難しい場合は、早急に手を打つ必要がある。
- 暴力や暴言がない場合でも思い通りに行かないと癇癪を起こす場合は、家庭内暴力に発展する場合がありますので、そのままにするのではなく、親子の関わりを見直した方が良い。
- 家庭内暴力の動機は「不明」を除くと、1番多いのが「しつけ等親の態度に反発して」(2995件、全体の65.8%)、2番目が「物品の購入要求が受け入れられず」(552件、全体の12.1%)、3番目が「理由もなく」(359件、全体の7.8%)となっており、以降「勉強をうるさく言われて」「非行をとがめられて」といった動機が続いている。
- 非行をとがめられた際に反発して起こる家庭内暴力は意外と少なく、保護者の態度への反発から生まれる家庭内暴力が圧倒的に多い結果となっている。
- 家庭内暴力の主な原因としては、①現状と将来への不安と不安に対してのイライラ②不安を解決してもらえない親への不満と怒り③養育歴の中でつくられてきた親への反発・憎しみ・敵意④小さい頃から親や祖父母から物やお金を与えられて困ったことがなく、自制心がない⑤思っていることを言葉で伝えることが苦手など
- この中でも一番複雑なのが③養育歴の中でつくられてきた親への反発・憎しみ・敵意などで、特に今まで子どもに手をあげたりしてきた場合は子どもとの良い関係を築くための努力をやり直す必要があります。
- 反抗期は必要な過程なので、親はグッと堪えてやり返さないこと。
- 親は慌てたりおどおどしているのではなく、強いブレない心で子どもの気持ちを受け止め、堂々として落ち着いた気持ちで言葉を返していくことが大切。
- 反抗期のこどもとの会話は、相談ではなく話を「うん、うん」と聞き役に徹することが大事。
- 「親子で話ができる場合」は「自分が抱えている不安を解決する方法がある」と思えたときに暴力は収まってくる。
- 「親子で話ができない場合」で家族では対応しきれない場合はなるべく早く専門家に相談されることをお勧めする。
- 家庭内暴力が起きたとき、家庭でできる対応策としては、落ち着くまで距離を取ることが大事。
家庭内暴力は長い時間をかけて作られてきた親子関係の間で起きるものです。子どもが暴れている場合の対応は、慎重に行う必要があります。またご家庭によって対応が変わる場合がありますので、独断で対応されないことをお勧めします。